2019年コロナウイルス感染症による映画への影響
コロナウイルスの影響 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
2019年コロナウイルス感染症による映画への影響(2019ねんコロナウイルスかんせんしょうによるえいがへのえいきょう)では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴う映画への影響について述べる。
COVID-19パンデミックは2020年、2021年、2022年の映画産業に深刻な打撃を与え、その影響は芸術分野全般の被害(英語版)を反映している。各国の映画市場では映画の公開延期・中止や劇場の閉鎖、映画祭の延期・中止などの事態が発生しており、全世界の興行収入は数十億ドル減少したほか、外出せずに映画を鑑賞できるストリーミング配信の人気が高まったことにより、興行会社の株価が大幅に下落した。また、2020年3月以降に公開が予定されていたブロックバスター映画の多くが公開延期・中止となり、さらに映画の製作・撮影も中止に追い込まれた。一方、ブロックバスター映画の公開本数が減少したことで、インディペンデント映画の公開本数が増加して作品の認知度向上に繋がる結果をもたらした[1]。
中国市場ではアジア映画産業の稼ぎ時である旧正月期間中に全ての劇場を閉鎖したため20億ドルの損害を出しており[2]、北米市場では2020年3月13日から15日にかけての週末興行収入が1998年以来の最低記録を更新した[3]。2020年の全世界興行収入ランキングは『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が第1位(5億310万ドル)となったが[4]、全世界興行収入ランキングの上位作品が10億ドルを下回ったのは2007年以来であり、アメリカ映画以外の作品が上位作品にランクインしたのは史上初のことである[5]。2021年に入ると全世界の興行収入は前年比78%増と回復基調となった[6]。