systemd
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systemdは、システム管理を担うソフトウェア群であり、従来のSystem V initに代わって導入された仕組みである。デーモン・ライブラリおよび各種ユーティリティで構成され、システム管理・設定における中心的プラットフォームとして、2010年、RedHat社のエンジニアにより、Linux OS用に設計された。
systemdを使うFedora 17のスタートアップメッセージ | |
作者 | Lennart Poettering、Kay Sievers、Harald Hoyer、Daniel Mack、Tom GundersenおよびDavid Herrmann |
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開発元 | Lennart Poettering、Kay Sievers、Harald Hoyer、Daniel Mack、Tom Gundersen、David Herrmannなど[1] |
初版 | 2010年3月30日 (14年前) (2010-03-30) |
最新版 | 249 - 2021年7月7日 (2年前) (2021-07-07)[2] [±] |
リポジトリ | |
プログラミング 言語 | C[3] |
対応OS | Linux |
種別 | システムソフトウェア |
ライセンス | GNU LGPL 2.1+[4] |
公式サイト |
systemd |
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著者によるとsystemdはオペレーティングシステムの「基本的な積木」であると評され[5]、UNIX System VやBSDから継承されたinitシステムを置き換えることを第一の目標としている。
systemdという名前はファイル名の最後尾にdという文字を付けることでデーモンを区別しやすくするというUNIXの慣習を受け継いでいる[6]。また、この名称は言葉遊びの側面もある。フランスで最近よく言われている「システムD(英語版)」とは、「状況に迅速に適応し問題を即興で解決する個人の能力」を意味する。ここでの「D」は、「仏: débrouille=なんとかする」の頭文字である[6]。
systemdはLinux用に設計され、Linux API専用にプログラミングされている。systemdはGNU Lesser General Public License (LGPL) version 2.1以降という条件でフリーなオープンソースソフトウェアとして公表されている[4]。
systemdの設計はフリーソフトウェアコミュニティにおける重要な論争の元となった。これはsystemdのアーキテクチャはUNIX哲学に反しており最終的に相互依存でがんじがらめの塊を作ってしまうと批評家達を主張させるようになっているためである[7]。しかしながら2015年現在、主要なLinuxディストリビューションのほとんどはsystemdをデフォルトのinitシステムとして採用している。