イベント駆動型プログラミング
ウィキペディアから
ウィキペディアから
イベント駆動プログラミング(イベントくどうプログラミング、英: event-driven programming)とは、ユーザー側の操作による受動的なイベントの発生によって、コンピュータ側の能動的なプロセスの実行とプログラムフローの選択が決定されるというプログラミングパラダイムである。イベントドリブンとも邦訳される。グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ソフトウェアでよく用いられており、ユーザー入力に対するレスポンス出力の実装に適している。デバイスドライバプログラムでも多用されている。Webアプリケーションでも並行計算を実現するための非同期処理で活用されている[1]。
ここで言うイベントとは、マウスクリックやキーボード押下によるユーザー操作、センサーやシグナル[要曖昧さ回避]受信によるハードウェア入力、走行スレッドや発生トランザクションからのメッセージ受信を指している。プロセスの実行とは、スレッドの開始や手続き/関数の呼出しを指している。
規則型(宣言型)のイベント駆動型プログラミングにおいては、規則の条件部が満たされ指定されたイベントが発生すると、その規則が実行される。このような規則を ECA規則 (event-condition-action rule) という。例えば為替レート換算であれば
といった規則を用意しておけば、利用者としては
というメリットを享受できる。ここで挙げた例は、データや状態の変化に反応して処理が起動されるリアクティブプログラミングと呼ばれる。
手続き型のイベント駆動型プログラミングにおいては、まず各イベントに対応する処理を記述した手続き(サブルーチン、関数、あるいはメソッド)を、システムあるいはアプリケーションフレームワークに登録する。この手続きはイベントハンドラー (event handler) と呼ばれ、イベントが発生したときにシステムあるいはアプリケーションフレームワークによって呼び出される(コールバックされる)。イベントの待機中(アイドリング時)の処理はシステムに任せる。
一般的に、グラフィカルユーザインタフェース (GUI) を使用するオペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアでは、イベント駆動型プログラミングを利用している。マウス操作やキーボード操作といったユーザーからの入力や、システム状態の変化・変更といった各イベントに対する処理を統一的に記述することができる。
イベント駆動型プログラミングを行うメリットは、アプリケーションを作成する際に、必要なイベントハンドラーにのみ処理を書けばよい、ということである。イベントを待機するプログラム構造自体はどのアプリケーションもほぼ共通であり、結果として、アプリケーションフレームワークによるプログラム構造のブラックボックス化と再利用がしやすくなり、アプリケーションプログラマーが記述しなければならないコード量が減る。処理の記述をハンドラーごとに分けるので、プログラムの見通しも良くなる。
イベントで駆動される処理はイベントハンドラーに記述されるが、その実装方法は開発者に一任される。処理の特性(実行内容、規模/複雑性)に合わせた典型的なイベントハンドラ実装パターンが存在する。以下に各パターンを挙げる。
Fluxパターン
Flux(フラックス[注釈 1])は、Actionを介したブロードキャスト型メッセージパッシングによるパターンである。状態管理をStoresに委譲し、イベントハンドラはActionの発火に特化する。イベント側と状態管理(ビジネスロジック)側を疎結合にできる利点を持つ。またActionメッセージを保持・記録して取り回すことができる。
UIが関わる実装としては、Reduxがデファクトスタンダードである[2]。
Commandパターン
Commandパターンはオブジェクト指向プログラミングを用いたパターンである。実際の処理をCommandオブジェクトへ委譲し、command.Execute(コマンド実行)インターフェースをイベントハンドラ内で叩くことにより、イベントハンドラ側と処理側を疎結合に出来る利点を持つ。またCommandオブジェクトを保持・記録して取り回すことができる。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.