エース (トランプ)
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エース(Ace)は、トランプのカードの一種である。フランスタイプの標準的なデッキでは、エースはカードの中心に1つのシンボル(ハート,ダイヤ,スペード,クラブ)が描かれており、特にスペードの場合、時々大型であり装飾されているが、稀にスペード以外のエースもそれに合わせて派手な意匠のものもある。スペードのエースの装飾は、ジェームズ1世(在位:1603年~1625年)が、スペードのエースに印刷所の記章を印刷する事を要求した時に始まった。この記章は、印刷所を特定し、新しい税金を支払い済みであることを表示するために必要だった。この規則は1960年に撤廃されたが、多くのトランプ製造業者ではこの伝統は未だに存在している[1]。
「ace」という用語は、古フランス語で「一単位」を意味する「as」(ラテン語の「as」に由来、これは古代ローマの小さな硬貨の名前でもある)から来ている。トランプでの用語として使われる前、もともとはサイコロの1の目を意味していた。これはサイコロで最も小さい目という理由から、中英語では伝統的に「不運」の意味だった。しかし、エースのカードが最も役の高いカードとしてしばしば使用されるようになってから、「高品質、特上の」という意味で使用されるようになった。この表現は、テニスのサービスエース、エース・パイロット、その他軍事面やスポーツの分野で、特に技能が秀でた人物ついて言うときに見られる。
歴史的にはエースは最も低い役であり、これは現在も多くの有名なヨーロッパのゲームに引き継がれている(実際、フランスのタロ・ヌーヴォーも含む殆どのヨーロッパのデッキでは「A」ではなく数字の「1」を使用している)。しかし、英語会話圏で人気の大抵のゲームでは、エースはスートの全てのカードのうちで最も高い役を持っている。ポーカーやブラックジャックのような多くのゲームでは、プレイヤーはエースを高い役か低い役にするかを選択する事が許されている。このエースが持つ二面性は、他のゲームでもプレイヤーに同時に使用する事を許容している。たとえばラミーの変形ゲームではK-A-2のような組み合わせでグループ(「メルド」とも言う)を作ることを許容している。これは、口語的に「going around the corner」として知られている。