シメオン (ヤコブの子)
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シメオンは、創世記によるとヤコブとレアの第2子であり、イスラエルの十二支族のうちシメオン族の祖とされる人物である。しかし、一部の聖書学者はこれをポストディクション、すなわちイスラエル連合の各部族の関連性の起源を提供するためのエポニム、メタファーであるとして見ている[1]。聖書学者は、シメオン族は初期のイスラエル連合の一部であると聖書の著者に信じられていたと主張している[1]。しかしながら、そのシメオン族は旧約聖書の一部には書かれておらず(例えば、申命記第31章におけるモーセが死ぬ前にイスラエルの人々を祝福した言葉では、イスラエルの各部族に対してそれぞれ祝福の言葉がかけられるが、シメオンの名前は出てこない[2])、本文批評学者は例えばデボラの歌のように最も古いものであると主張し、また、一部の学者はシメオンがはじめは個別の部族とは考えられていなかったと主張している[3]。