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本田技研工業のクーペおよびセダン型乗用車 ウィキペディアから
インサイト(INSIGHT)は、本田技研工業がかつて生産・販売していたハイブリッドカーである。
これまでに3世代が発売されているが、世代ごとの共通点は「ファストバックスタイルを持った前輪駆動のハイブリッド専用車」という点で、車格、ドア数、コンセプトは世代ごとに大きく異なる。
ホンダ・インサイト(初代) ZE1型 | |
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フロント | |
リア | |
概要 | |
販売期間 |
1999年11月1日 - 2006年8月 (発表1999年9月6日) |
ボディ | |
乗車定員 | 2名 |
ボディタイプ | 3ドアクーペ |
駆動方式 | 前輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
ECA型:995cc 直列3気筒SOHC |
モーター | MF2型:交流同期電動機 |
最高出力 |
エンジン: 51kW (70PS)/5,700rpm モーター: 10kW/3,000rpm(5MT用) 9.2kW/2,000rpm(CVT用) |
最大トルク |
エンジン: 92N·m (9.4kgf·m)/ 4,800rpm モーター: 49N·m (5.0kgf·m)/ 1,000rpm |
変速機 |
5速MT/ 無段変速オートマチック (ホンダマルチマチックS) |
サスペンション | |
前 | マクファーソン式 |
後 | 車軸式 (トーション・ビーム式) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,400mm |
全長 | 3,940mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,355mm |
車両重量 | 820-850kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:油圧式ベンチレーテッドディスク 後:油圧式リーディング・トレーリング |
1997年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー「J-VX」を市販車にアレンジしたもので、かつてのCR-Xを彷彿させるコンパクトなファストバッククーペスタイルが特徴。外装にはレーシングカーさながらのリアホイールスカート[注釈 1]を採用するなど、世界最高水準の低燃費を目指して徹底した空気抵抗低減が施されたことで、Cd値は0.25となっている[2][3]。
車体には同社のNSXと同様にアルミニウム合金[4]を使用したほか、フロントフェンダーなどはバラードスポーツCR-Xと同様に樹脂製となった[5]。パワーユニットは直列3気筒1.0 LのECA型にアシスト用薄型直流ブラシレスモーターを組み合わせたもので、ホンダはこのユニットをHonda IMAシステムと称している。走行時には必ずエンジンが動作している点で広義のパラレル型ハイブリッドシステムに分類される。
パラレルハイブリッドのため純エンジン車と同様のトランスミッションを持ち、5速MTとCVTの2種類が設定された。ヨーロッパ仕様は高速域での燃費を考慮し、よりワイドレシオなギア比となっている[注釈 2][6]であった。
ホンダ・インサイト(2代目) ZE2/3型 | |
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2009年2月発売型 フロント | |
2009年2月発売型 リア | |
インテリア | |
概要 | |
販売期間 |
2009年2月6日 - 2014年3月 (発表:2009年2月5日) |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ |
5ドアファストバックセダン (5ドアハッチバック) |
駆動方式 | 前輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
インサイト: LDA型:1,339cc 直列4気筒SOHC (2009年2月-2014年3月) インサイト エクスクルーシブ: LEA型:1,496cc 直列4気筒SOHC (2011年10月-2014年3月) |
モーター | MF6型:交流同期電動機 |
最高出力 |
インサイト: エンジン: 65kW (88PS)/5,800rpm モーター: 10kW (14PS)/1,500rpm (2009年2月-2014年3月) インサイト エクスクルーシブ: エンジン: 82kW (111PS)/6,000rpm モーター: 10kW (14PS)/1,500rpm (2011年10月-2014年3月) |
最大トルク |
インサイト: エンジン: 121N·m (13.3kgf·m)/ 4,500rpm モーター: 78N·m (8.0kgf·m)/ 1,000rpm (2009年2月-2014年3月) インサイト エクスクルーシブ: エンジン: 142N·m (14.5kgf·m)/ 4,800rpm モーター: 78N·m (8.0kgf·m)/ 1,000rpm (2011年10月-2014年3月) |
変速機 |
無段変速オートマチック (ホンダマルチマチックS)[注釈 3] |
サスペンション | |
前 | マクファーソン式 |
後 | 車軸式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,550mm |
全長 |
インサイト: 4,390mm (2009年2月-2014年3月) インサイト エクスクルーシブ: 4,395mm (2011年10月-2014年3月) |
全幅 | 1,695mm |
全高 |
インサイト: 1,425mm (2009年2月-2014年3月) インサイト エクスクルーシブ: 1,435mm (2011年10月-2014年3月) |
車両重量 |
1,190-1,200kg (2009年2月-2011年10月) 1,190-1,210kg (2011年10月-2014年3月) |
その他 | |
ブレーキ |
前:油圧式ベンチレーテッドディスク 後:油圧式リーディング・トレーリング |
当初は別の車名を予定していたが、北米や欧州の現地法人の意見や現地における語感を考慮して「インサイト」とした。スタイルはライバルのトヨタ・プリウスに対抗するために5ドアハッチバックとした一方、3ナンバーサイズであるプリウスより小型な5ナンバーサイズに留めた[14]。
初代モデルとはファストバックスタイルのハッチバックボディを採用したことや、リアのエクストラウィンドウなどが共通するが、5人乗りの5ドアであること、リアホイールスカートが無いなどの点が異なる。また、コストダウンのため初代のアルミフレームボディは採用せず、フィットへ用いられた既存コンポーネントをベースに極限まで軽量化を施した。ホンダの他車と約1万点の部品を共通化し、ニッケル水素バッテリーは初代の20本(7.2ボルト〈V〉×20本=144V)、2代目シビックハイブリッドの11本(14.4V×11本=158V)に対し、性能を向上させた結果、7本(14.4V×7本=100V)までに削減するなど、徹底した効率化を図った。その結果、価格は北米市場でベースモデルで2万ドル、日本市場でベースグレードとなる「G」はオーディオレスながら180万円(車両本体価格)で発売された。
先代と同じくIMAシステムをパワーユニットの基本とし、実用燃費の向上を目指して「エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム」と称する省燃費モニターを全車に標準装備する。すでに4代目オデッセイなどで採用されているECONモード[注釈 4]に加え、アクセルやブレーキの操作でスピードメータの背景色であるアンビエントメーターの色が変化してリアルタイムに燃料消費状況を意識させることで低燃費運転に寄与する「コーチング機能」と、メーター内のマルチインフォメーション・ディスプレイ画面内で燃費運転をリアルタイムで採点し、リーフのアイコンでその日のエコドライブ度やその日までの累計のステージ表示を知らせる「ティーチング機能」を備えている。この「ティーチング機能」は、オプションのカーナビゲーションと組み合わせることで、詳細情報の表示も可能となっている。
IMAシステムは新たに1.3LのLDA型を搭載し、トランスミッションはCVTのみ。パワーユニット自体は2代目シビックハイブリッドと同じであるが、i-VTECは可変シリンダーシステム(VCM)としてのみ機能する。VCMにより全気筒を休止させ、シビックハイブリッドと同様のモーター走行も可能になった。カリフォルニア大気資源局が認定するAT-PZEV(Advanced Technology - Partial Credit Zero Emission Vehicle:ゼロ排出ガス車として部分換算される先進技術搭載車)の条件によりモーター出力は10kW以上を要し、バッテリーは7本で電圧は100.8Vとされている。
ホンダは、2008年以降発売される地球環境を意識した車両を「Honda Green Machine」と称していた時期があり、インサイトは「グリーンマシーン1号」であった(2号は2代目シビックハイブリッド)。
ホンダ・インサイト(3代目) ZE4型 | |
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2018年12月発売型 EX | |
概要 | |
販売期間 |
北米 : 2018年6月 - 2022年9月 日本 : 2018年12月14日 - 2022年12月23日 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 4ドアファストバックセダン |
駆動方式 | 前輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
LEB型: 1,496cc 直列4気筒DOHC |
モーター | H4型:交流同期電動機 |
最高出力 |
エンジン: 80kW (109PS)/6,000rpm モーター: 96kW (131PS)/4,000-8,000rpm |
最大トルク |
エンジン: 134N·m (13.7kgf·m)/ 5,000rpm モーター: 267N·m (27.2kgf·m)/ 0-3,000rpm |
変速機 | 電気式無段変速機 |
サスペンション | |
前 | マクファーソン式 |
後 | マルチリンク式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,700mm |
全長 | 4,675mm |
全幅 | 1,820mm |
全高 | 1,410mm |
車両重量 | 1,370-1,390kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:油圧式ベンチレーテッドディスク 後:油圧式ディスク |
系譜 | |
後継 | シビックe:HEVに統合 |
2代目までのスタイルから一転し、ファストバックスタイルはほぼそのままにキャビンから完全独立したトランクルームとトランクリッドを持ったクーペ風の4ドアセダンに変更。10代目シビックのラインナップから外されたハイブリッド車の実質的な後継車種の役割に加え、サイズおよび価格ともにシビックと10代目アコードの中間ほどのミドルセダンに位置づけられるモデルとなった[32]。2018年6月の北米市場での販売を皮切りに、同年12月から日本での販売を開始した。
パワーユニットは2モーターのSPORT HYBRID i-MMDで、それまでは2.0LのR型エンジンをベースとしたLFA型のみだったが、本モデルで新たに1.5LのLEB型と組み合わせて搭載された。後発のクラリティPHEVと仕様は共通ながら、吸排気システムを専用設計。燃費性能向上のため、アトキンソンサイクルとi-VTECに加えて燃焼効率向上技術とメカニカルフリクション低減技術を投入することで、最大熱効率は40.5%を達成している[33]。また、モーターのローターには重希土類フリーモーター磁石を採用するとともに、パワーコントロールユニットの小型化を行った[34][35]。最高出力はエンジンが80kW(109PS)を、モーターは96kW(131PS)をそれぞれ発生[注釈 5]。また、燃費性能はJC08モードで34.2km/L、WLTCモードで28.4km/Lを実現した(いずれも「LX」の数値)[注釈 6][36]。
10代目シビックとプラットフォームの大半を共用し、一部をハイブリッド仕様に最適化している[37]。リアサスペンションをマルチリンク式に変更するとともに、回頭性・ライントレース性、緊急回避時の操縦性に貢献する「アジャイルハンドリングアシスト」を新採用した[38]。
英語で「洞察力」「眼識」という意味。「ハイブリッドカーの本格的な普及を洞察するクルマ」という意味を込め名付けられた[44]。
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