マッハ (ケルト神話)
ケルト神話の女神 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
マッハ(Macha)は、ケルト神話に伝わる戦いの三女神の一柱[1]。正確には古アイルランド語でヴァハと呼ばれ[2]、その名はケルト語で「平原」の意である magesiā に由来する[3]。「赤い鬣(たてがみ)のマッハ(Macha Mong Ruad)」または「赤毛のマッハ(Macha Dearg)」と呼ばれることもある[4]。
馬、戦い、豊饒、および主権を司ると言われる[5]。戦士達を戦闘の狂気の渦へ導くとされ[6]、モリガンが魔法の他に槍を用いて戦うのに対し、マッハは常に魔法のみを用いて戦う[7]。戦死者の首を食べるとされ、敵の首を門に飾るケルトの風習は「ヴァハの木の実の餌」と呼ばれ、彼女への供物だといわれている[2][8]。
神話では女神エルンワス(英語版)の娘で[3]、モリガン、バズヴとは三姉妹だとされている[1]。フィル・ヴォルグ族との戦いでは魔法を駆使してトゥアハ・デ・ダナーンの勝利に貢献したが[6]、フォモール族との戦いでバロールにヌアザと共に殺された。マッハは何度も転生を繰り返し、ネヴェズ族の族長の妻やミレ族の王女、クルンヌッフ(英語版)(クルンチュー)の妻たる妖精となって度々神話に登場している[4]。