宮本武蔵 (小説)
吉川英治の小説 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『宮本武蔵』(みやもとむさし)は、吉川英治の新聞小説で、朝日新聞に連載されたこの作品は1935年の8月23日から、4年後の1939年7月11日まで続いた。二天一流の開祖でもある剣豪・宮本武蔵の成長を描き、剣禅一如を目指す求道者・宮本武蔵を描いたこの作品は、日中戦争から太平洋戦争へと向かう戦時下で人気を得た。
なお、あくまで吉川英治による時代小説であり、お通や又八などの存在や沢庵との出会いなど、内容の多くは創作である。例えば、作中の武蔵は関が原の戦いで西軍に加わったことになっているが、剣豪として有名であった父の新免無二が関ヶ原の東軍の黒田家に仕官していたことを証明する黒田家の文書[1] があり、史実の武蔵は父とともに東軍として九州で参戦していた可能性が高いことが挙げられる。
だが、この小説に由来する宮本武蔵像が一般大衆にあたかも史実であるかのように広まった経緯があり、吉川自身は(古橋広之進や升田幸三も本書のどこかを自身の精進に生かし得たという)を「人づてに聞かされもした」「(よろこびとか張り合い以上に)苦痛にも似た自責をおぼえないではいられない」と述べている[2][3]。