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テレビ朝日で放送の紀行番組シリーズ ウィキペディアから
『散歩シリーズ』(さんぽシリーズ)は、テレビ朝日が2006年より毎週月 - 金曜日午前10時台前半(一時期は金曜日に限り10時台後半も)に編成している紀行情報番組のシリーズと、その総称である。テレビ朝日映像制作。
タイトル通り『散歩』に着目している。
番組 | 散歩人 | 放送期間 | 放送回数 | 番組テーマ曲 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ちい散歩 | 初代・地井武男 | 2006年4月3日 - 2012年5月4日 | 1518 | BIGBELL「ほのか」 | 2009年4月より金曜日は11:00まで拡大 地井が病気の為終了(2012年6月29日逝去)[1][2] |
若大将のゆうゆう散歩 | 2代目・加山雄三 | 2012年5月7日 - 2015年9月25日 | 865 | 加山雄三「星の旅人」 →加山雄三「逍遙歌〜そぞろ歩けば〜」[3][注 1] →加山雄三「Dreamer 〜夢に向かって いま〜」 | 2012年9月まで金曜日は11:00まで放送 |
じゅん散歩 | 3代目・高田純次 | 2015年9月28日 - 放送中 | 2000以上 | 槇原敬之「ココロノコンパス」 →槇原敬之「一歩一会」[注 2] →シェリル・クロウ「ヒア・カムズ・ザ・サン」[注 3] →(高田による週替り選曲) →斉藤和義「純風」[4][5] | 2016年10月31日より5分縮小[注 4] |
1980年代から1993年まで人気クイズ番組『100万円クイズハンター』(司会:柳生博)[注 11] で名を馳せ、その後も再放送番組や民教協制作番組などを放送してきたテレビ朝日の平日午前10時枠前半(10:00〜10:30→9:55〜10:30)枠。同局では同枠を2002年4月より関東ローカルの生活情報番組枠[注 12] に転換するも低迷が続いたため、これまでの情報番組枠を路線転換する形として、2006年4月3日、俳優の地井武男を起用した新紀行番組『ちい散歩』を開始。これが『散歩シリーズ』の起点である。
なお、シリーズ前に放送されていた『いま得!』(2005年7月 - 2006年3月)の番組末期に著名人らによる散歩企画が連日放送されていたことから『ちい散歩』の開始につながった。
『ちい散歩』は開始当初、ほとんど注目されることがなく、視聴率もあまり高くなかったが、回を重ねるうちにシニア層を中心に人気が高まり上昇。当時の同時間帯裏番組『こたえてちょーだい!』(フジテレビ)[注 13] や同時期に開始した『ラジかるッ』(日本テレビ)[注 14][注 15] とも互角に争い、2007年10月8日放送の祝日拡大版『ちい散歩日光スペシャル』でついに番組最高となる10.5%(関東地区・世帯、ビデオリサーチ調べ)を記録した。番組は一躍、散歩ブームの火付け役となり[7]、たちまち人気番組としての地位を確立していくようになる。
2006年秋より水曜日の企画を一新、地井が昭和時代の面影を巡る「ちい散歩くらぶ 昭和の風景(昭和散歩)」を開始、人気企画となる。
2008年9月より『スーパーモーニング』[注 16] の祝日拡大の廃止により、それまで休止だった祝日も放送されるようになり、2010年からは祝日の拡大版も組まれるようになる。
2009年より水曜日を再び一新し「ひと駅散歩」を開始。また4月より金曜日の放送時間を拡大、11:00まで放送されるようになる。
さらに2010年4月からは木曜日に週替わり企画「木曜散歩」を開始。番組レギュラーを務めるラッシャー板前(タレント、たけし軍団)や矢島悠子(テレビ朝日アナウンサー)に加え、東幹久(俳優)、久保田直子(テレビ朝日アナウンサー)、土井善晴(料理研究家)らを起用し、それぞれ週ごとに異なる散歩で楽しませた。なお後述の『ゆうゆう散歩』では金曜日後半に移動し「金曜散歩」として継続、2012年9月まで続いた。
『ちい散歩』の成功によって、その後各局でも有名人らの散歩番組が多く制作・放送される[注 17] 等、様々な影響が生まれた。
『ちい散歩』の転機は2012年1月、突然訪れることになる。地井が心臓疾患により緊急入院[8]。このため収録ができなくなり、3月以降は総集編を放送するようになる[9]。
これにより番組は打ち切りの危機に瀕するが、この時点でテレ朝はまだ打ち切りには否定的だった[10]。しかしながら、地井の療養が長期化し、ついに『ちい散歩』の終了を決断する[11][12]。
テレ朝はそんな状況の中、急務で後継の新番組の企画を進めることになる。新たな散歩人として、歌手で俳優の加山雄三を起用し、新番組のタイトルも『若大将のゆうゆう散歩』に決定、5月7日より放送開始することとなった[13]。加山起用について、当時のテレ朝社長早河洋(現:テレビ朝日ホールディングス会長兼CEO)は「地井さんはキャラクターが素晴らしくて、人々との触れ合いなどを的確に表現できる人だと思うが、その中のポイントの1つが絵、スケッチだった。絵に変わるもの、音楽とかそういう才能を持った人がいないかと選考した結果、加山さんになった」[14] と述べた。また加山も「このような番組に出会えたのは、天から『歩きなさい』と言われているような気がしています」[13] と喜びを語った。
そして、5月4日、『ちい散歩』は6年1ヶ月1週、1518回に亘る歴史に幕を下ろした。テレ朝では地井の回復を待ってスペシャル版を制作・放送することを計画していた[14][15] が、後述する地井の逝去により実現しなかった。
『ちい散歩』が終了して間もない2012年5月7日、第2シリーズとなる『若大将のゆうゆう散歩』(以下『ゆうゆう散歩』と記す)がスタートした。第1回放送は前番組と同様、浅草を散歩した。
新たなスタートを切ってから2か月近くとなる6月29日、地井が心不全により逝去(享年70)[1][2]。これを受け、翌30日には追悼番組が組まれた。
加山は『ゆうゆう散歩』起用の際、地井に電話を入れ「君の視聴率を守れるか、それが一番心配だ」と話し、地井は「そんなこと言わないでください。大丈夫ですよ」と励ました。番組は好調なスタートを切り、加山は地井に再度電話を入れ「視聴率を守れたよ」と報告、すると地井は加山に「夏のロケは暑いですよ」と助言した[16]。後日、加山は「まさかこんなことになるとは思わなかった。信じられなかった。あんなに元気だったのに」と地井の死を悼んだ(2012年8月6日、地井のお別れの会にて)[17]。
地井の死去を受け、加山は「これからは彼の分まで、彼に喜んでもらえるよう、散歩を頑張りたいと思っています」[2][18] と、改めて番組への決意を新たにした。
地井の死から2か月、『ゆうゆう散歩』も加山の新たな決意とともに、軌道に乗り出す。
2012年9月17日放送の拡大版「敬老の日スペシャル(東海道五十三次・日本橋〜品川編)」より、加山の歌唱による「逍遙歌〜そぞろ歩けば〜」(作詞:さだまさし、作曲:弾厚作[注 18])[3][19][注 1]を新たなテーマ曲に起用、10月の改編より、唯一30分拡大版で放送していた金曜日の放送が短縮されることになり、全曜日とも9:55 - 10:30で統一(金曜日番組後半の「金曜散歩」は終了)した。
番組開始2年目となる2013年より水曜日・木曜日の内容を一新、新企画「心に残る風景を描くさんぽ」を開始。加山の描く水彩画が人気となった。
また、番組後期にも、ゲストが趣味に纏わる場所を散歩する「若大将の趣味さんぽ」(2014年3月 - 2015年1月、金曜日)や、加山が料理に挑戦する「若大将のゆうゆう料理」(2015年4月 - 9月、木曜日)などといった、斬新な試みにも挑戦した。
多くのファンに親しまれた『ゆうゆう散歩』も、ついに終わりの時を迎える。
2015年7月25日、加山が自らのファイナルコンサートツアー「若大将EXPO 〜夢に向かって いま〜」の最終公演(NHKホール)前の会見にて、『ゆうゆう散歩』を9月一杯で番組終了することを明言した。加山はその理由として「一つの夢として、80歳になるまでに設計している船を完成させたい」[20] と、かねてより公言していた自身の設計による災害救助船となるエコシップの建造[注 19] に時間を割く[20][21][22] ため、『ゆうゆう散歩』からの卒業を決断したという。これを受けて、テレ朝サイドも「80歳までに船を造りたいということで卒業の申し入れがあり、了承しました」[23] との広報部のコメントを出した。
『ゆうゆう散歩』の終了発表から2週間後の8月12日、テレ朝は10月改編での後継にして、本シリーズ3作目となる新番組を決定。新番組の散歩人として、タレントで俳優の高田純次を起用[6]、タイトルも『じゅん散歩』に決まった。高田は8月30日に行われた番組の制作発表会見にて「私もこういう番組をやりたかった。私の人生そのものが散歩のようなもの。適材適所。残りの人生30年、歩いてみたい。どのような方にお会いできるか楽しみ」と喜びと抱負を語った[24]。
2015年9月25日をもって『ゆうゆう散歩』は3年5か月、約865回に亘る放送を終了。シリーズの中では最も短期間、故に1000回に満たない放送回数に終わった。そして、翌週9月28日より『じゅん散歩』がスタートする。
2015年9月28日より放送中の第3シリーズである『じゅん散歩』では、前の2番組とは異なる点が多い。これまでは月・火曜と水・木曜、金曜を区切る形で放送していたが、同番組では月曜日から金曜日までを同じテーマとしており、1週間にわたり高田が同一エリアを散歩する内容となっている。また第1回放送では、前2番組ではそれぞれ浅草を散歩しているが、『じゅん散歩』では有楽町を散歩している(以後10月第1週には銀座近辺を散歩するのが恒例)。さらに毎年1月第3週には高田の誕生日(1月21日)に因み調布市を散歩するのが恒例となっている。
2016年10月31日より『ワイド!スクランブル・第1部』の5分繰り上げ拡大に伴い、放送時間を5分縮小し10:25までの放送となった。本シリーズではこれまで、金曜日の放送時間の拡大・縮小はあったが、全曜日の時間縮小は初となった。
2016年、散歩シリーズの開始から10周年を迎え、10月22日に『散歩10周年記念 じゅん散歩超デラックス〜若大将とまさかの爆笑ゆうゆう散歩 ちい散歩から10年!名場面も一挙公開〜』というスペシャル番組(9:55 - 11:40、スペシャルサタデー枠)が放送された[25]。この日のメインは、加山と高田による新旧散歩人のコラボ散歩を実施、浅草〜丸の内界隈を散歩した。また、シリーズ10周年を記念し『ちい散歩』から現在までの10年の番組史を振り返る名場面集のほか、地井を偲ぶ企画として、地井の出身地である千葉県匝瑳市の天神山公園にて、地井が2011年に植樹した「ちいちいの森」の現在や、毎年8月に行われている「八重垣神社祇園祭」の模様も紹介した。
2021年、散歩シリーズの開始から15周年を迎え、『じゅん散歩』も10月に放送7年目に突入し、11月8日~12日週には『ちい散歩』の6年1か月1週を抜き、かつ放送回数も1519回を超え、シリーズ最長の放送期間・回数となっている。
『ちい散歩』『ゆうゆう散歩』で放送されていたミニコーナー「骨骨☆10秒体操」の関連本はこちらにまとめる。
(放送時間(JST)は2024年1月現在、関東地区を基準)
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