脂肪酸メチルエステル
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脂肪酸メチルエステル(しぼうさんメチルエステル、英: Fatty acid methyl ester、略称: FAME)は、脂肪あるいは脂肪酸とメタノールとのアルカリ触媒反応によって生産できる脂肪酸エステルの一種である。バイオディーゼル中の分子は主にFAMEであり、通常トランスエステル化によって植物油から得られる。1トンの油脂と0.1トンのメタノールから、1トンのFAMEと0.1トンのグリセリンが得られる。
概要 脂肪酸(C16-18およびC18不飽和)メチルエステル, 識別情報 ...
脂肪酸(C16-18およびC18不飽和)メチルエステル | |
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大豆油メチルエステルの入ったサンプル | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 67762-38-3 |
EC番号 | 267-015-4 |
特性 | |
外観 | 黄色液体 |
密度 | 0.875 - 0.885 g·cm−3 (20 °C)[1] |
融点 |
−10 °C[1] |
水への溶解度 | 不溶[1] |
粘度 | 7.52×10−2 cm2·s−1 (20 °C) 3.75−2 cm2·s−1 (50 °C)[2] |
危険性 | |
引火点 | 180 °C DIN 51758[1] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
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全ての微生物は特異的なFAMEプロファイル(微生物フィンガープリント)を有していることから、微生物汚染源の追跡のために道具として使用できる。細胞の細胞膜および外膜(グラム陰性)脂質に存在する脂肪酸の種類および組成は、主要な表現型形質である。
臨床分析によってFAMEの長さ、結合、環、分岐を決定できる。この分析を行うために、微生物培養を行い、脂肪酸を抽出し、メチルエステルを形成するために使用される。揮発性誘導体は次にガスクロマトグラフィーに導入され、ピークのパターンが生物を同定する助けとなる。これは微生物の新種の特性評価に広く使用されており、病原性株を同定するために有用である。