臨界前核実験
核物質を臨界状態に至らない条件に設定して行う核実験 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
臨界前核実験(りんかいまえかくじっけん、りんかいぜんかくじっけん、英: subcritical experiment)あるいは未臨界核実験(みりんかいかくじっけん)は、核物質を臨界状態に至らない条件に設定して行う核実験。核兵器の新たな開発や性能維持のために行われる。アメリカ合衆国やロシアやパキスタン[要出典]など、過去の核実験のデータを蓄積した核保有国において行われている。
核物質の高性能爆薬による爆破・圧縮や大出力レーザーの照射によって行われ、主に物性変化を観察することが目的である。実験結果はコンピュータ・シミュレーションの基礎データなどに利用される。核物質が臨界に達する前の段階で実験は終了するため、通常の核実験で起こるような、閃光・熱・爆風を伴う核爆発は発生せず、環境に対する汚染もない。
包括的核実験禁止条約 (CTBT) は、第一条において核爆発の実施を禁止対象としているが、臨界前核実験は核爆発を伴うものでないため、CTBTの禁止対象とはなっていない[1][2]。