表示的意味論
プログラミング言語におけるプログラム意味論の手法 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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計算機科学における表示的意味論(ひょうじてきいみろん、英: Denotational Semantics)とは、プログラミング言語の意味を形式的に記述する形式意味論(プログラム意味論)の一つの枠組みである。初期には「数理的意味論」(mathematical semantics)、「スコット=ストレイチー意味論」(Scott–Strachey semantics)のようにも呼ばれた。表示的意味論では、記述された言語の各語句に、表示的意味(denotation)、すなわちプログラム全体の意味に対してその中に現れる各語句が担う役割を表す数学的対象(object)、を与える方法をとる[1]。
表示的意味論の起源は、1960年代のクリストファー・ストレイチーやデイナ・スコットの研究である。ストレイチーやスコットが開発した本来の表示的意味論は、プログラムの表示(意味)を入力を出力にマッピングする関数に変換するものである。後にこれはプログラムの表示(意味)を定義するには非力であることが証明され、例えば再帰定義関数・データ構造を表現できないことが判明した。これを解決するため、スコットはより汎用的な領域理論に基づいた表示的意味論を提案した[2]。その後、研究者らはPower Domainsに基づいた手法を提案し、並行システムの意味論の困難さを克服する努力をしている[3]。