アクリル酸メチル
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アクリル酸メチル(アクリルさんメチル、英: methyl acrylate)は、有機化合物の一種で、アクリル酸のメチルエステル。IUPAC系統名はプロペン酸メチル (methyl propenoate)。アクリル酸、メタクリル酸系のエステルの中でも特に重合しやすい物質である[1]。一般的には安定剤としてヒドロキノンモノメチルエーテルが添加されており、不純物として酢酸メチルやプロピオン酸メチルが含まれる[2]。
概要 アクリル酸メチル, 識別情報 ...
アクリル酸メチル | |
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Methyl propenoate | |
別称 プロペン酸メチル | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 96-33-3 |
日化辞番号 | J3.967E |
KEGG | C19443 |
RTECS番号 | AT2800000 |
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特性 | |
分子式 | C4H6O2 |
モル質量 | 86.04 g/mol |
外観 | 無色液体 |
密度 | 0.956 g/cm³、液体 |
融点 |
−75 °C |
沸点 |
80 °C |
水への溶解度 | 6 g/100 ml(20 °C) |
log POW | 0.8 |
蒸気圧 | 9.1 kPa(20 °C) |
屈折率 (nD) | 1.403 |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | Oxford MSDS |
主な危険性 | X F+ |
引火点 | −2.8 °C |
発火点 | 468 °C |
出典 | |
国際化学物質安全性カード アクリル酸メチル ICSC番号:0625 (日本語版), 国立医薬品食品衛生研究所, http://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.display?p_card_id=0625&p_version=2&p_lang=ja | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
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電子求引性基によって求核攻撃に対して活性化されているため、グリニャール試薬やエノラートのような求核剤と反応することが可能である。
主にアクリル樹脂の原料として使用されており、他の樹脂の共重合原料などにも用いられる[3]。2002年の日本における生産量はおよそ32万トンであり、そのうちおよそ6500トンほどが輸出されている[4]。