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オリオン座FU星(オリオンざFUせい、FU Orionis, FU Ori)は、太陽系からオリオン座の方向に約1,360 光年の距離に位置する前主系列星。爆発型変光星のサブグループであるオリオン座FU型星のプロトタイプで、この種類の前主系列星は、光度とスペクトルを短時間で極端に変化させる[3]。
オリオン座FU星 FU Orionis | ||
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星座 | オリオン座[1] | |
見かけの等級 (mv) | 9.60[1] 9.600 - 16.500[2] | |
変光星型 | FU[3] | |
分類 | 前主系列星(Tタウリ型星) | |
位置 元期:J2000.0[1] | ||
赤経 (RA, α) | 05h 45m 22.3650208559s[4] | |
赤緯 (Dec, δ) | +09° 04′ 12.296285806″[4] | |
固有運動 (μ) | 赤経: 2.218 ミリ秒/年[4] 赤緯: -2.834 ミリ秒/年[4] | |
年周視差 (π) | 2.4029 ± 0.0497ミリ秒[4] (誤差2.1%) | |
距離 | 1360 ± 30 光年[注 1] (416 ± 9 パーセク[注 1]) | |
オリオン座FU星の位置(丸印)
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物理的性質 | ||
質量 | 約0.6 M☉ / 約1.2 M☉ | |
スペクトル分類 | F0Iab[1] | |
他のカタログでの名称 | ||
BD +09 5427[1] 2MASS J05452235+0904123[1], Gaia DR2 3336092864798790144[1] |
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■Template (■ノート ■解説) ■Project |
オリオン座FU星は、オリオン座λ星周辺の分子雲Sh2-264の一部を成す分子雲「バーナード35」に位置している[1]。1936年の年末から増光を始め、数か月で16等から9等級まで増光[5]、その後は9等前後で輝き続けている[6]。1939年には新星として分類されていた[1][6][5]が、減光しないことから特殊な天体と見なされていた。その後、オリオン座FU星と類似の増光を見せる天体として1970年にはくちょう座V1057星、1974年にはくちょう座V1515星が発見されたことで、改めてオリオン座FU星が注目され、新たな変光星のグループ「オリオン座FU型星」が設けられた[6]。
発見された当初は単独の天体だと考えられていたが、2002年10月にスペインのカラル・アルト天文台の3.6メートル光学望遠鏡に設置された補償光学系を用いた観測によって、同じく前主系列星と思われる暗い天体が検出された[7]ことから、非常に若い星の連星系であると考えらえている[7][8]。2つの星は約250天文単位 (au) 離れており、それぞれ半径約11 auの塵円盤に囲まれている[8]。より明るい FU Ori north の質量は約0.6 太陽質量 (M☉) で、年に約3.8×10-5 M☉の質量降着があると推測されている[8]。もう一方の暗い FU Ori south (FU Orionis S) の質量は約1.2 M☉と推測されている[5]。
2016年には、国立天文台のすばる望遠鏡の近赤外線高コントラスト撮像カメラ「HiCIAO」を用いた観測によって、FU Ori型バーストと呼ばれる急激な質量降着を起こす様子が捉えられた[9][10]。
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