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この項目では、バンダイのトレーディングカードゲームについて説明しています。格闘ゲーム『龍虎の拳』を原作としたアニメ作品については「バトルスピリッツ 龍虎の拳」をご覧ください。 |
『バトルスピリッツ』(Battle Spirits)は、バンダイのトレーディングカードゲーム。2008年9月に発売。カードダス発売20周年を記念して製作された。略称は『BS』、『バトスピ』[1][2]。
『マジック・ザ・ギャザリング』や『デュエル・マスターズ』など、TCGに関わって来たマイケル・エリオットを基幹ゲームデザイナーに迎えており、各色彩が属性に関係するなどの共通点もあれば、コアと呼ばれる実体カウンターが実装されるなどの相違点も存在する。
その出自よりカードの販売ルートが通常の店頭販売以外にカード専用の販売機という特殊な販路が存在する、あまり例を見ない流通ルートが市場における特異性を持つTCGでもある。
対戦は2名のプレイヤーにより、1対1で行われるが、計4名のプレイヤーにより、2対2で行われるタッグバトルもある。スピリットカードをフィールドに配置し、BPと呼ばれる強さを示した数値を比べることで戦わせる。ゲームを有利に進められるアルティメットカード、ブレイヴカード、ネクサスカード、マジックカードも存在。
このゲームには5種類のカードが存在し、それらを組み合わせた「デッキ」(カードの束)を用いてゲームを行う。中でも基本となるのがスピリット、ネクサス、マジックの3つ。アルティメットとブレイヴはスピリットと同様、フィールドに召喚されて戦うものの、様々な部分がスピリットと異なっている。
- スピリット
- フィールド(戦場)に召喚されて相手と戦う、モンスターやメカを表すカード。
- ネクサス
- スピリットと同様、フィールドに配置され、様々な効果で味方をサポートするカード。
- マジック
- 手札から直接使用するカード。使い捨てだが、その分強力な効果を持つ。
- アルティメット
- 封印されしスピリットが究極復活した姿。召喚には特定の「召喚条件」を満たす必要があるが、それだけに強力である。
- ブレイヴ
- スピリットと合体(ブレイヴ)できる特殊なカード。スピリット2体やアルティメット、創界神(グランウォーカー)ネクサスと合体(ブレイヴ)できるものも存在する。
このゲームのカードは6つの属性のいずれかに属している。属性ごとに特徴があり、それを活かすことで、様々なデッキを作ることができる。属性はカードの枠の色で示され、複数の属性に属するカードも存在する[3]。
- 赤
- ドラゴンが多く存在する。攻撃を得意とし、アタック時に破壊やドローができる。
- 紫
- ガイコツや魔物が多く存在する。相手のコアを落としたり、復活したりする効果を持つ。
- 緑
- 虫や獣が多く存在する。自分のコアを増やしたり、相手を疲労させたりするのが得意。
- 白
- ロボットが多く存在する。防御を得意とし、相手を手札に戻したりできる。
- 黄
- 天使や伝説の生物が多く存在する。トリッキーな動きをし、マジックを使う戦術が得意。
- 青
- 巨人やゴーレムが多く存在する。デッキ破壊や、相手の行動を妨害するのが得意。
次のいずれかを満たしたプレイヤーが勝利し、その時点でゲームは終了する。
- 対戦相手のライフが0になった。
- 対戦相手のスタートステップで、相手のデッキが0枚だった場合。
- デッキ
- このゲームのカードを集めた束。ルールに従い、自分で自由に作成できる。カード40枚以上で作れれば、枚数の上限はない。同じ名前のカードは最大3枚まで入れられ、イラストやカードナンバーが違っていても、同じ名前であれば、同じカードとみなしている。ただし、カード名の末尾に付いた番号(同名カードの識別番号)が異なる場合や、「転醒」を持つカードで片面のカード名が異なる場合は、違うカードとして扱っている。また、契約カードは1種類(3枚まで)しか入れることができない。このほか、一部のカードだけは何枚でも入れられるものがある。
- コア
- ライフやコスト支払い、フィールドにあるカードのレベルアップなど、様々な用途に用いられるチップ。数が足りなくなった場合は代用品を用意する。コアとして使用できるなら、どのようなものを使っても構わない。ソウルコアを使用せずに遊ぶこともできる。
- ソウルコア
- ゲーム開始前にリザーブに置く4個のコアを1個だけにすることができる特別なコア。ほとんどの場合、通常のコアと同じように扱われ、コストを支払ったり、フィールドのカード上に置いたりして使える。ただし、このコアを対象とした効果(「封印」など)以外で、「リザーブ」「フィールドのカード上」「トラッシュ」以外の場所に置かれることはない。また、「封印中」や「煌臨」のようにこのコアを活用することで、発揮する効果もある。このコアの使用は任意だが、このようなカードをデッキに入れている時はこのコアを用意しておくことをおすすめしている。
- 専用デザインの施された実体アイテムが公式アイテムとして販売される前は前述の通りコアなら何でも代用可能となっており、このシステムは実体アイテム非所持者への救済手段として現在でも有効となっている。
- プレイシート
- 各エリアや場所の名称、ターンシークエンスなど、プレイの手助けとなる様々な情報が記載されているシート。慣れてきたらなしでも楽しく遊べるが、最初はこのシートを使ってプレイすることをおすすめしている。
- ライフ
- プレイヤーの生命力。最初にライフとしてコアを5個置く(ダメージを受けるとライフはリザーブに移動する)。アタックをブロックせずにライフを減らす動作を「ライフで受ける」というが、一部のカード効果で回復することもある。プレイシートはコアを6個まで置くことができるようになっているものが多いが、ルール上、ライフの数に上限はない。
- リザーブ
- コアを貯めて置く場所。スピリットの召喚などのコストを支払うのに使用する。
- トラッシュ
- 使用、破壊、消滅、破棄されたカードを上、コストなどで使用したコアを下に置く場所(コアは自分のリフレッシュステップでリザーブに戻る)。一部のカード効果においてカードは手札、コアはリザーブに戻ることもある。他のカードゲームにおける『墓地』に相当。
- デッキ置き場
- 自分のデッキを裏にして置く場所。
- カウントエリア
- カウント数を表すコアを置く場所。
- バーストエリア
- バースト効果やミラージュ効果を持つカードを置く場所(バーストやミラージュは同時にセットできる)。バーストはコストを支払わずに裏向き、ミラージュはコストを支払って表向きでセットできる。
- フィールド
- スピリットやアルティメットを召喚、ネクサスを配置する場所。
- ボイド
- プレイシート外でゲームに未使用のコアを置いておく場所。
プレイシートを広げたら、以下の手順でゲームの準備を進める。
※それぞれの場所の位置はプレイシートを参考にする。
- プレイシートの外に「ボイド」となる場所を決め、そこに用意したコアを置く。
- 自分のデッキをよくシャッフルし、その後相手に渡してシャッフルしてもらう。互いのシャッフルが終わったら、デッキを裏にして「デッキ置き場」に置く。
- ※契約カードを最初の手札に加えたい時は、シャッフル前にデッキから契約カード1枚を抜き出し、裏向きで相手に提示する。
ボイドからコアを5個取り、「ライフ」に置く。このコアがプレイヤーの生命力を表す。
- ボイドからコアを3個、ソウルコアを1個取り、「リザーブ」に置く。
- ※ソウルコアを使わない場合、ボイドから通常のコアを4個取り、「リザーブ」に置く。
自分のデッキからカードを4枚引き、手札にする。
- ※手札は相手に見えないように持つ。
- ※手札の内容が気に入らなくても、カードを引き直すことはできない。
- ※契約カードを最初の手札に加えたい時は、4枚引く代わりに3枚を引いた後、提示した契約カードの内容を相手に公開してから手札に加える。
このゲームには数多くのカードが存在し、中にはこのルールの説明と相反する効果を持つものもある。カードの効果がルールと矛盾している場合、カードの効果を優先させる。
対戦は先攻プレイヤーと後攻プレイヤーの「ターン」(手番)を繰り返すことで進行する。さらに1ターンは、7つの「ステップ」に分かれている。各ステップに何も行うことがない場合でも、ステップ自体はなくならない[4]。
※特に記載されていない限り、基本的に各ステップの行動はターンプレイヤー(現在、自分のターンを進めているプレイヤー)のみ行う。
この手順はアニメ第2作『バトルスピリッツ 少年激覇ダン』第2期EDにて歌詞で説明されている。
- スタートステップ
- ターンのスタートを宣言する。ここで発揮する効果がなければ、特に何もせず、コアステップに進む。
アタックステップでは、相手のライフを減らすため、スピリットやアルティメットで「アタック」(攻撃)することができる。アタックは1体ずつ行われ、アタック宣言から始まる一連の手順を「バトル」と呼ぶ。
※1ターン目(先攻プレイヤーの最初のターン)には、アタックステップがない。
- アタック宣言(バトル開始)
- 攻撃側(ターンプレイヤー)は自分の回復状態(縦向き)のスピリットやアルティメットを1体選び、アタックを宣言する。同時にアタックしたことを示すため、カードを疲労状態(横向き)にする。
- この処理が行われた時点で「アタック時」効果や「バトルしたとき」に発生する効果が発揮する。
- このターンに召喚したスピリットやアルティメットもアタックできる。
- アタックしたスピリットやアルティメットがこのタイミングでフィールドからいなくなっても、バトルは終了せずにフラッシュタイミング(1回目)に移る。
- アタック宣言が行われなかった場合、アタックステップは終了する。