伊勢市女性記者行方不明事件
1998年に日本の三重県伊勢市で発生した失踪事件 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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伊勢市女性記者行方不明事件(いせしじょせいきしゃゆくえふめいじけん)は、1998年に三重県伊勢市で発生した失踪事件である。
1998年11月24日深夜、伊勢市の出版社「伊勢文化舎」に勤務する編集者兼記者の辻出紀子が消息を絶った。三重県警察は辻出に最後に接触したとみられる取材相手の男性Xに容疑を向け、逮捕監禁容疑による別件逮捕も駆使してXを追及した。しかし、逮捕監禁事件については津地方裁判所でXの一審無罪が確定し、反対にその公判で提出された取調べの録画テープにより、津警察署が偽計や威圧を駆使した違法な取調べを行っていたことが判明した。
無罪判決後、Xは日本弁護士連合会に対して人権救済を申立て、その結果として日弁連人権擁護委員会も、三重県警本部長および津地方検察庁検事正には人権侵害行為を伴う取調べについて強い警告を発する事態に至った。しかし、Xはその後提起していた複数の賠償請求訴訟を自ら取り下げ、また「無罪が確定すればすべてを話す」と辻出家に述べていたにもかかわらず、辻出家に対して沈黙を貫き続けた。
以上の経緯から、Xが辻出の失踪に関係しているのではと未だ疑問視されているが、北朝鮮による拉致説など、信頼性に欠ける多くの巷説も流布され続けており、辻出の失踪は未解決のままである。