反射衛星砲
宇宙戦艦ヤマトシリーズの登場兵器 ウィキペディアから
宇宙戦艦ヤマトシリーズの登場兵器 ウィキペディアから
反射衛星砲(はんしゃえいせいほう)は、『宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト2199』『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に登場する架空の兵器。『宇宙戦艦ヤマトIII』では改良型の新反射衛星砲が登場する。
ガミラス帝国の冥王星前線基地に配備されていた、拠点防衛用エネルギー[注 1]兵器。デザイン担当は松本零士。
冥王星基地の海底に設置された単装砲から衛星軌道上にある反射衛星(人工衛星)に向けてエネルギーを発射し、衛星の反射板の角度を調整して任意の方向へ反射させて自在に照準を行うことができる。また、複数の反射衛星を経由することで、惑星の裏側にも攻撃が可能であり、惑星地表から衛星軌道に至るまで事実上死角がない[注 2]。目標が反射衛星砲本体から直接照準できる位置にあれば、反射衛星を使わず直接攻撃することも可能である。
透明ドームに覆われた砲本体のデザインは、つぼみの閉じたチューリップ状[注 3]で全周旋回が可能になっている。反射衛星は発射態勢に入ると4枚の反射板を展開し、砲から受けたエネルギー放流を正確に反射させる。後に真田志郎は、この反射衛星をヒントに秘密裏に空間磁力メッキを独自開発している。
冥王星前線基地司令官シュルツは「射程は波動砲より短いが破壊力は上」と劇中で語っているが、実際の劇中描写では数発命中させてもヤマトを撃沈できないなど、威力が高く描かれてはいない[注 4]。
目標が海中にある場合には、海面でビームが反射してしまい届かない[1]。また、反射衛星は敵にもその位置や軌道が露呈していることから、おおよそ攻撃が加えられる方向や、反射板の展開により発射タイミングが把握されるなどの欠点が存在する。
劇中では第7話と第8話に登場する。冥王星基地を叩きに来たヤマトに連続攻撃を加え、一度は冥王星の海に沈めるが、ヤマトを囮として排気塔を見つけ出し、基地内部に侵入した古代進や真田ら特別攻撃隊によって、砲を爆破される。その爆発は大津波を引き起こし、冥王星基地も水没して壊滅する。
松本零士の漫画版にはシュルツがテストを行い標的艦のダミーヤマトを破壊する描写があるが、冥王星基地攻略エピソードが飛ばされたため、実際の戦闘時での活躍の有無は不明のままである[2]。
ひおあきら版では冥王星のエピソードには登場せず、中盤における宇宙要塞に「衛星砲」として同デザインのものが配備されているが、反射衛星を介さない直射タイプの要塞砲である[3]。
『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2199』でも、冥王星前線基地に設置されている砲として登場。デザイン担当は、砲本体が宮武一貴と石津泰志[4]、反射衛星が宮武一貴[5]。
本作では遊星爆弾の加速と軌道角調整のための点火システムである大口径長射程陽電子砲を、シュルツが兵器へ転用したという設定に変更されている[5][注 5]。また、反射衛星は反射板ではなく、リフレクターによって形成された反射フィールドによってビームを反射するという設定になっている[5]。砲本体は基地に面する凍結した湾の海底に設置されている[7]。
劇中では第5話と第6話に登場する。ヤマトへ第3射までを連続で命中させて冥王星の海に沈めるが、その際に反射衛星の存在と発射工程を察知される。そのため、第4射の発射間際にはヤマトに反射衛星への起動シグナルを逆探知されて最終中継衛星を特定され、ミサイル攻撃で衛星を破壊されて砲撃をしのがれてしまう。シュルツはビームの角度を変更し、ヤマトの射程圏外から第5射を放つことで対処しようとしたが、第4射の際に基地上空で待機していた古代進と山本玲に砲本体の位置を突き止められ、ヤマトの三式融合弾の直撃によって破壊される。
続編である『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』でも、第14話において登場。ガトランティスがガミラスの科学奴隷に作らせたコピー品であり、メダルーサ級重戦艦改〈ヘルベスティア〉の旗艦型の艦首大砲塔に装備されている[8]。コピー品であるがゆえの粗悪さにより[9]、ヤマト側に対する命中弾を得ることはできず、逆に中継制御衛星をハッキングされ、旗艦型を除くヘルベスティア全艦を自滅に追い込ませられる。なお、本編での反射衛星は全てガミラスのものと同形状となっているが、シナリオや絵コンテの段階では、制御衛星以外のビーム反射はニードルスレイブが担っていた[10]。
『宇宙戦艦ヤマトIII』第8話と第9話では、ガルマン・ガミラス帝国バーナード星第1惑星基地に配備された、発展型の新反射衛星砲が登場する。デザイン担当は出渕裕。
東部方面軍の将軍・ダゴンがヤマトを攻撃する際に使用した。
惑星の地表面上の基地から砲を発射し、中継する機器を用いるのは反射衛星砲と同じだが、異なるのは中継センターと呼ばれる発射砲塔が無数にあり、反射する機器が人工衛星ではなく反射板搭載機(デザイン担当は板橋克己)で、レーザー[注 6]を反射して目標とする敵を攻撃する点である。
機動性のある反射板搭載機の編隊でヤマトを包囲することで、人工衛星を利用した場合に比べ死角を限りなく減らして敵を攻撃でき、地表近くの敵も確実に攻撃できること、機動力に富むので次の攻撃が予想しにくいこと、そのために敵に発見されにくく、発射元もまた中継センター(の一つ)でしかなく砲本体は発見されにくいという特徴がある。冥王星に設置された砲と異なり、エネルギーの供給体制が整えば連続発射も可能になる。しかし劇中描写を見る限り、元となった反射衛星砲に比較してダメージは軽め[11]で、一撃の威力よりも手数の多さで攻めている。
劇中では降り注ぐ弾雨でヤマトを追い詰めるが、反射板搭載機自体が大型で機動性も悪く防御力もそれ程高くなかった上に、護衛戦闘機をつけなかったことが弱点となって、コスモハウンドとコスモタイガー隊によって撃滅され、あと一歩のところでヤマトの反撃を許すこととなる。その後、新反射衛星砲はヤマトの索敵行動で基地自体が発見され、波動砲によって基地ごと破壊される。
『宇宙戦艦ヤマト』以降に反射衛星砲に類似する兵器が登場する作品がある。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.