囚人のジレンマ
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「3囚人問題」とは異なります。 |
囚人のジレンマ(しゅうじんのジレンマ、英: prisoners' dilemma)とは、ゲーム理論におけるゲームの1つ。お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる、というジレンマである[1]。各個人が合理的に選択した結果(ナッシュ均衡)が社会全体にとって望ましい結果(パレート最適)にならないので、社会的ジレンマとも呼ばれる[2]。
1950年に数学者のアルバート・タッカーが考案した[3]。ランド研究所のメリル・フラッド(英語版)とメルビン・ドレシャー(英語版)の行った実験をもとに、タッカーがゲームの状況を囚人の黙秘や自白にたとえたため、この名がついている[4]。
囚人のジレンマではゲームを無期限に繰り返すことで協力の可能性が生まれる(後述)。囚人のジレンマは、自己の利益を追求する個人の間でいかに協力が可能となるかという社会科学の基本問題であり、経済学、政治学、社会学、社会心理学、倫理学、哲学などの幅広い分野で研究されているほか、自然科学である生物学においても、生物の協力行動を説明するモデルとして活発に研究されている[5]。