安達顕高

安達 顕高（あだち あきたか、生年不詳 - 元弘3年/正慶2年5月22日（1333年7月4日））は、鎌倉時代末期の武将。鎌倉幕府御家人。安達時顕の子で安達高景の弟^[1]。式部大夫^[2]。

元服時に北条氏得宗家当主・鎌倉幕府第14代執権・北条高時より偏諱を受けて顕高を名乗ったとみられる^{[注釈 1]}。姉妹が高時の正室であることから、得宗家の外戚として権勢を強めたが、『太平記』によれば、元弘3年/正慶2年（1333年）の幕府滅亡（東勝寺合戦）に際し、東勝寺で高時ら北条一門や父兄と共に自害したとされる^{[注釈 2]}。

脚注

注釈

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1. 得宗家は本来ならば将軍の下で一御家人という立場にありながら、烏帽子親関係による一字付与を利用して、他の有力御家人を統制したことが指摘されており^[3] 、北条高時の代には「得宗→御家人」という図式で「高」の字が下賜されていたという見解がある^[4] 。
2. 『太平記』巻第10「高時幷一門以下於東勝寺自害事」に見られる安達氏の自害者は、「城介高量」（兄・高景の誤記か^[5]）・「同式部大夫顕高」・「同美濃守高茂」（父・時顕の従兄弟^[6]）・「秋田城介入道延明」（父・時顕）である。

出典

1. 『尊卑分脉』。
2. 『尊卑分脉』、『太平記』巻第10「高時幷一門以下於東勝寺自害事」。
3. 紺戸淳「武家社会における加冠と一字付与の政治性について」『中央史学』2号、1979年。
4. 角田朋彦「偏諱の話」『段かづら』三・四、2004年。
5. 細川 2000, 巻末基礎表p.68.
6. 『尊卑分脉』

参考文献・史料

• 細川重男『鎌倉政権得宗専制論』吉川弘文館、2000年。
• 黒板勝美; 国史大系編修会 編『尊卑分脉 第2篇』吉川弘文館〈新訂増補 国史大系〉。