平均賃金
ウィキペディアから
ウィキペディアから
平均賃金(へいきんちんぎん)とは、日本において、労働法上の概念として、休業手当や解雇予告手当などの算定の基礎となる賃金のことである。労働基準法(昭和22年法律第49号)等に規定されている。
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。(以下略)
平均賃金の算定の期間(条文上の「これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間」)は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する(第12条2項)。雇入後3か月に満たない者については、雇入後の期間で計算するが(第12条6項)、この場合であっても、賃金締切日があるときは原則として直前の賃金締切日から起算する(昭和23年4月22日基収1065号)。ただし、直前の賃金締切日より計算すると未だ1賃金算定期間(1か月を下らない期間)に満たなくなるときは、事由の発生日から起算する(昭和27年4月21日基収1371号)。賃金締切日に算定事由が発生した場合は、その日ではなく、なお直前の賃金締切日から起算する。
算定の期間中に、次の各号の一つに該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、算定の期間及び賃金の総額から控除する(第12条3項)。
1.~4.までの期間が平均賃金を算定すべき事由の発生した日以前3か月以上にわたる場合又は雇入れの日に平均賃金を算定すべき事由の発生した場合の平均賃金は、都道府県労働局長の定めるところによる(施行規則第4条)。これは必要が生じた場合に都道府県労働局長が個々に決定するという趣旨である(昭和23年3月27日基発461号)。なお雇入れ後の期間が極端に短い者(雇入れ後2日目や3日目に事故が発生した場合等)については施行規則第4条でなく第12条6項(雇入後3か月に満たない者)を用いる(昭和23年4月22日基収1065号)。
条文上の「賃金の総額」には、算定期間中に支払われる、第11条に規定するすべての賃金が含まれる。平均賃金は、労働した日あたりの賃金(労働単価)として算出するのではなく、受けた賃金によって生活する1日あたりの額というとらえ方をする。「賃金の総額」を「総日数」(3か月間の暦日数)で除したことによって求めた1日当たりの平均賃金額については、1銭未満の端数は切り捨てる(昭和22年11月5日基発232号)。
もっとも、「賃金の総額」には、臨時に支払われた賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものは算入しない(第12条4項)。
賃金が通貨以外のもので支払われる場合(現物給与の場合)、「賃金の総額」に算入すべきものの範囲及び評価に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める(第12条5項)とされ、「賃金の総額」に算入すべきものは、第24条1項但書の規定による法令又は労働協約の別段の定めに基づいて支払われる通貨以外のものとする(施行規則第2条1項)。労働協約に定められた評価額が不適当と認められる場合又は評価額が法令若しくは労働協約に定められていない場合においては、都道府県労働局長は評価額を定めることができる(施行規則第2条3項)。もっともこれらは、賃金の通貨払いの原則(第24条)とその例外事由を遵守する限り、発生しない。
平均賃金は、次の各号の1つによって計算した金額を下ってはならない(第12項1項但書)。労働日数が少ない者について1項本文をそのまま適用すると、平均賃金が不当に低くなるおそれがあるからである。
条文上の「算定すべき事由」と、算定事由発生日は次のとおり。なお、条文上は「以前」となっているが、実際には算定事由発生日は含めずに算定する。
日日雇い入れられる者については、その従事する事業又は職業について、厚生労働大臣の定める金額を平均賃金とする(第12条7項、昭和38年労働省告示第52号)。具体的には次の通り。
第12条1項~6項によって算定し得ない場合の平均賃金は、厚生労働大臣の定めるところによる(第12条8項)とされ、「労働基準法第12条8項の規定に基づき平均賃金を定める告示」(昭和24年4月11日労働省告示5号、最終改正平成12年12月25日労働省告示120号)が定められている。告示によれば以下の通り。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.