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千葉県南房総市にある橋 ウィキペディアから
眺尾橋(ながおばし)は、千葉県南房総市白浜町滝口にある、長尾川に架かる石造アーチ橋である。「長尾橋」とも表記され、「めがね橋」の名でも呼ばれる。3連の眼鏡橋は全国的に見ても数は少なく、関東地方ではこの橋だけである。
架橋時に建てられた袖柱には橋の名をひらがな(「ながをばし」)と漢字で記したものがあったが、長い時間経過の中で一部欠損している。漢字表記の袖柱は一文字目の上部2/3が失われていたため、1993年に補修を行った際にもともとの表記が「眺」であると推定して補作している[1]。「長尾橋」と表記されることもあり、付近の交差点は「長尾橋脇交差点」となっている。
「めがね橋」はその形状から呼ばれた愛称であったが、1989年に千葉県がこの橋を県有形文化財とした際、「めがね橋」の名で指定している[2]。
1888年(明治21年)3月に架設。設計・施工にあたったのは地元の石工であり[3]、総工費399円40銭もまた地元の有志達の寄付によって賄われたとされる[1][3]。橋のたもとには伊豆石が用いられているが[4]、本体に使用されている切石は「みずるめ石」と呼ばれ、橋より南南東方向に900mの海岸線にある「みずるめ」という石切場から採掘されたものである[3]。
1917年(大正6年)に発生した長尾川の大洪水や、1923年(大正12年)の関東大震災にも耐え、第二次世界大戦中には近隣に駐屯した日本軍の戦車も往来した。
1978年(昭和53年)、白浜町(現・南房総市)は、眺尾橋を「町有形文化財」に指定。傷みが激しかったことから、自動車の通行を禁止した。1989年(平成元年)3月10日、千葉県の「県有形文化財」の指定を受けた。1993年より2年をかけて補修が行われている[1]。橋の周辺や護岸は整備、保存され、地域のシンボルとして町おこしに活用されている。
2005年(平成17年)には「土木学会選奨土木遺産」に認定されている[5]。
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