脂質代謝
細胞内での脂質の合成と分解 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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脂質代謝(ししつたいしゃ、英: lipid metabolism、脂肪代謝とも)とは、細胞内での脂質の合成と分解のことで、エネルギー源となる脂肪の分解または貯蔵、および細胞膜の構築に関わるような構造的および機能的な脂質の合成などを含む。動物では、これらの脂肪は食物から得るか、肝臓で合成する[1]。この脂肪を合成するプロセスが脂質生合成(英: lipogenesis)である[2][3]。ヒトが食物を摂取することで体内に存在する脂質の大半は、中性脂肪(neutral fat、トリグリセリド(triglycerides)とも)とコレステロール(cholesterol)である[4]。体内に存在する他の種類の脂質は、脂肪酸(fatty acids)と膜脂質(membrane lipid)である。脂質代謝は、食物脂肪の消化と吸収の過程と考えられがちだが、生物がエネルギーを得るための脂肪の供給源は、食物脂肪(dietary fats)の消費と貯蔵脂肪(stored fats)からの2つがある[5]。ヒトを含む脊椎動物は、心臓などの器官が機能するためのエネルギーを作り出すために、両方の脂肪源を使用する[6]。脂質は疎水性の分子なので、代謝を開始する前に可溶化する必要がある。多くの場合、脂質代謝は、消化器系のさまざまな酵素の助けを借りて起こる加水分解[7]から始まる[2]。植物の脂質代謝は動物と比較するとプロセスにいくつかの違いがある[8]。加水分解後の第2段階は、脂肪酸が腸壁の上皮細胞に吸収されることである[6]。上皮細胞では、脂肪酸がパッケージされ、体の残りの部分に運ばれる[9]。
本記事では主に動物の脂質代謝について述べる。