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日本のコンピュータゲーム作品 (2005) ウィキペディアから
『脳を鍛える大人のDSトレーニング』(のうをきたえるおとなのディーエストレーニング)は、任天堂開発・発売のニンテンドーDS専用ゲームソフト。略称は「脳トレ」。
ジャンル | 脳活性化ソフト |
---|---|
対応機種 | ニンテンドーDS |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1 - 16人 |
メディア | DSカード |
発売日 |
ニンテンドーDS 2005年5月19日 2006年4月17日 2006年5月26日 2006年6月9日 2006年6月15日 2007年1月18日 Wii Uバーチャルコンソール 2014年6月4日 2015年8月5日 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) ESRB:E(Everyone) PEGI:3+ OFLC:G(General) |
売上本数 |
1,901万本(2023年9月末時点)[1] 396万本(2022年12月末時点)[2] |
その他 | Touch! Generations |
副題も含めた正式タイトルは『東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』(とうほくだいがく みらいかがくぎじゅつきょうどうけんきゅうセンター かわしまりゅうたきょうじゅかんしゅう のうをきたえるおとなのディーエストレーニング、英: Brain Age: Train Your Brain in Minutes a Day! Dr. Kawashima's Brain Training: How Old Is Your Brain?)。
ジャンルは「脳活性化ソフト」で「Touch! Generations」シリーズの1つ。副題にある通り、東北大学未来科学技術共同研究センター教授(発売当時。後に同大学加齢医学研究所教授へ異動)・医学博士の川島隆太が監修している。ゲーム中には川島本人がポリゴン化したキャラクターで登場しており、プレイヤーに様々なアドバイスをする。
2014年6月4日には、Wii U用バーチャルコンソールとして6月30日まで期間限定で無料配信され、2015年8月5日より680円で正式に販売が開始した。
本作はニンテンドーDSを縦に持ってプレイする。簡単な計算問題や音読などをして、脳を活性化させる。また、それを繰り返し継続して行う事によって、脳をより強く活性化させる。4人分の記録を毎日残すことができ、経過をグラフにして比較表示できる。記録は1年分残すことができる。
毎日トレーニングでは種目によってタイムアタック形式[注 1]・点数形式・正解数形式の3種類があり、トレーニング終了後に成績の評価に応じた階級が出るようになっている。これは、早いほど好成績を表しており、良い順番にロケット級、飛行機級、新幹線級、自動車級、自転車級、徒歩級の6つに分かれている。なお、これらの絵はタッチすればそれぞれ音が鳴るようになっている。
各トレーニングは毎日のプレイの内、初回のみが記録される。1日に1つでもトレーニングをすると、カレンダーにハンコを押すことができる。最初にできるトレーニングは「計算20」、「計算100」、「名作音読」の3つだが、ハンコがいくつか溜まると、新しくプレイできるトレーニングが増えたり、難しい問題に挑戦できるようになる[注 2]。なお、トレーニング以外にも、ハンコが溜まると、ハンコのデザイン変更できたり、教授語録を見ることができる。
以下のチェック項目のうち、ランダムに3つが出題され、自分の脳年齢を診断することができる。開始前に声を出せるか否かを問われる(出せないを選択した場合、「色彩識別」と「高速数え」は出題されなくなる)。
トレーニングとは別に、唐突にクイズを出される場合がある。
個人データのないゲストプレイヤーでも、大まかなチェックやトレーニングを試すことができる。
ニンテンドーDSのワイヤレス通信を使い、体験版配布や通信対戦ができる。
ゲームの開発には大作ゲームなら最低でも数十人で1年以上とかなりの費用が必要とされるが、今作においては実質十数人のスタッフで、3 - 4カ月という少人数、短期間で行われ、価格も他のゲームソフトと比較して安価となっている。
口コミや報道などによって発売以降注目を集め続けており、主に首都圏のFMラジオ局「J-WAVE」の番組『BOOM TOWN』や、日本テレビ放送網系列の中京テレビ放送の番組『中京テレビニュースプラス1』で紹介されている。
その後、2005年の9月にはお年寄りへの敬老の日のプレゼントとして選ばれるという、従来のゲームソフトでは見られなかった珍現象が起こる。発売初週は5万本弱を販売した後も順調に販売本数を延ばし、9月には週3万5000本を超え、売上は発売4ヶ月で30万本を売り上げる大ヒットとなる。その後も売れ続け、発売から6ヶ月後の2005年11月には累計70万本を突破。年末のクリスマス商戦で累計100万本を突破し、ほぼ同時期にDS本体も売り切れるという大ヒットにつながった。
実売本数は国内で400万本近くにまで達しており、タッチパネル・音声認識機能の搭載というニンテンドーDSの利点を大きくアピールする作品として、DSの普及を牽引するキラーソフトの一つとなる。その人気から「脳トレ」という言葉が流行語として認知され、2006年の新語・流行語大賞トップ10を受賞した。エンターブレインが企画する『ファミ通アワード』の第1回では当作品が優秀賞のオールジェネレーション賞を、3Dモデルになった川島教授がゲームキャラクター大賞を受賞している。
本作のヒットはゲーム業界にも多大な影響を与え、似たようなコンセプトを持つゲームソフトが各メーカーから発売されるようになり、社会現象になるほどの人気を起こした。
本作が脳の老化を防ぐという科学的根拠に関しては疑問が呈されている。イギリスの科学雑誌『Nature Neuroscience』で2007年に掲載されたEditorialにおいて、脳機能を向上させるという科学的根拠が乏しいにもかかわらず、人気を集めている商品の例として、このソフトが数独やクロスワードパズルなどとともに挙げられている[3]。
しかし、川島らのグループが2012年に『PLoS ONE』に発表した論文[4]では、4週間に渡ってこのソフトをプレイした高齢者では、対照群 (『テトリス』をプレイしたグループ) と比較していくつかの認知機能検査の得点の向上が見られることが示されている。
任天堂は「更に多くのトレーニングを」、という要望に応え第2弾として『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』を2005年12月29日に発売し、こちらも発売から半年で実売本数200万本を突破し、500万本を超えている。
2006年4月17日には『Brain Age: Train Your Brain in Minutes a Day!』が北米で、同年6月9日(イギリスのみ5月26日)には『Dr. Kawashima's Brain Training: How Old is Your Brain?』がヨーロッパ、6月15日にはオーストラリア・ニュージーランドで発売された。なお、海外版ではペンシルパズル・数独が搭載されている。
2008年12月24日にDSi専用のDSiウェアのソフトとして、「ソフトを差し替えせずにいつでもどこでもちょっとずつ脳を鍛える」ことに開発した第3弾として『東北大学加齢医学研究所川島隆太教授監修 ちょっと脳を鍛える大人のDSiトレーニング』を文系編と理系編の2つのバージョンで配信し、トレーニングと脳年齢チェックのテストが異なって新作と過去2作のものが収録されている。また、2009年4月22日にニコリ製作の問題全116問を収録した数独編が配信開始された(2015年に配信終了)。
2012年7月28日にはニンテンドー3DS用ソフトとしてシリーズ第4弾の『東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング』(通称「鬼トレ」)が発売された。
2019年12月27日にはNintendo Switch用ソフトとしてシリーズ第5弾の『東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング』のパッケージ版の発売とダウンロード版が配信された。
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