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ニーダーザクセン級フリゲート(ドイツ語: Fregatte Niedersachsen-Klasse)は、ドイツ海軍が計画している次期フリゲートの艦級。公称艦型は126型(Klasse 126)、他にもMittlere Überwasserkampfeinheit(MÜKE:独語、日語訳:中間水上戦闘単位)、Korvette 131(K131:独語、日語訳:131型コルベット)[2]にMehrzweckkampfschiff 180(MKS180:独語、日語訳:180型多目的戦闘艦)と呼称されていた。
本計画はドイツ連邦軍再編中であった2010年6月には知られていた。連邦国防省はMKS180計画の予定建造数であった8隻を6隻に変更した[3]。2015年6月に、少なくとも4隻の調達のために入札の決定が発表された。1番艦は2028年からドイツ海軍で運用される予定である。[4]。ドイツ軍は2024年4月に、調達数を4隻から6隻に再度変更することを発表した。
2009年の初頭、将来水上戦闘艦の最初の検討が始まる。独立した研究プロジェクトを通して支えられた思考案「運用要求K131」が出され、新型艦は早くとも10年後から就役し2050年頃まで運用できるよう求められた。しかし、関連する研究ではモジュール設計を用いた場合、船体はコルベット以上の規模が必要であると示される。乗員は100人が必要であるとされる。そして、モジュラーアプローチに基づいて新開発される艦艇は多目的戦闘艦の概念が採用され、思考案はMKS180に名称変更され更新される[5]。
同時期に125型フリゲートの調達が進められていたが、前提とするシナリオに齟齬が見られ、次期計画では10年から15年かけて新要求に応えるとされる。脅威と任務は急速に変化しており、継続的な防衛計画としては対応不十分な点を是正する。そのままのプラットフォームとしては想定される全脅威シナリオには対応不可能であり、MKS180は僅かな変更で将来の任務部隊活動に適応できるよう、装備はモジュラー方式で取替え可能であることが求められ、運用前や最中にでも対応できるコンセプトが採用される[5][6]。
具体的には自己防衛、海上監視、不審船をはじめとする海上目標の通信傍受や臨検の実施などがあり、これらの要件を満たすべくMKS180の中核機能は決定される[5]。また、原価の高騰を避けるため船体にはデザイン・トゥ・コスト・オーダー・デザイン・トゥ・バジェット(Design To Cost oder Design To Budget)の手法で入札される。目標価格はF125フリゲートの最終価格の約55%が期待される。F125フリゲートは約6億5,000万ユーロ(約860億円)であったが、MKS180は約3億8,500万ユーロ(約510億円)となる[6]。
この艦は、海賊をはじめとする非対称脅威との戦いにも対応能力が期待され、排水量は5,000トンが予定される[7]。F125フリゲートのミッションモジュールとは異なり、艦上で対応モジュールの利用が必要とされる。特定任務に柔軟に対応できるよう、大掛りな技術的複雑さからの解放と時間を短縮しつつ艦の装備変更を行えるように、標準化された設備と乗員が用意される。乗艦する人員は、基礎乗組員のみならず将兵70人が追加でき、対応する各種任務や司令部機能を付加できる。このため派遣先の気候に合わせた空調や周辺機器、艦内外に対応できる指揮通信機材を搭載する。恒久的に設置されるシステムとは異なり、通常使用されないミッションモジュールは、艦載に関係なく整備・維持できる。モジュールが港で修理されている間、搭載プラットフォームは特定能力を一時欠如した状態であっても海上運用は可能とされる[5][6]。
2017年2月13日、連邦国防省の広報担当者は、 ジェーンに対し調達を加速しようとしていると発表した。ドイツ海軍は、2023年より4隻を船舶を42億ユーロ(45億USドル)の費用で購入する計画を立てていたが、2030年に要求審査が延期されるまで第2バッチを発注する可能性があり、ドイツ軍防衛大臣Ursula von der Leyenは、調達を加速し、6つの船舶をすべて一括して注文する予定とした[8]。
2011年末以来、入札に応じたドイツの造船企業はこの概念を提出している。この中で、サプライヤーごとが示す2、3の概念は船体形状やその他、連邦軍からの要求に応じている[7]。
2年間の寿命要求(集中連続運用)低配員レベルに関する(最大140人+70人の将兵乗組能力)最大メンテナンス間隔での全システムの最高能力発揮状態を必要とする。焦点はライフサイクルコストの削減にあり一定の要件につながっている[7]。
ニーダーザクセン級はモジュール式ミッションを前提に設計されており、その結果、艦は特定任務や業務パッケージの標準化された設備と乗員で構成される。ニーダーザクセン級の運用要求は2013年時点では、水中戦闘に焦点がおかれている[5][7]。
艦は完全な技術的統合だけでなく、夜間や全天候型のアクセスおよび追加業務に対応できるよう、ペイロードが20フィートコンテナやミッションモジュールを必要としており、これは艦の設計に考慮される事項である。臨検・移乗コンポーネントは速力35ノットを超える硬式ゴムボート2隻を搭載し、同時に2個チームの特殊部隊が展開できる能力が求められている[7]。
B・ヴュルテンベルク級 | 26型 | コンステレーション級 | ニーダーザクセン級 | ||
---|---|---|---|---|---|
船体 | 満載排水量 | 7,316 t | 8,000 t | 7,291 t | 10,550 t |
全長 | 149.5 m | 149.9 m | 151.18 m | 166 m | |
全幅 | 18.8 m | 20.75 m | 19.81 m | 21.7 m | |
主機 | 方式 | CODLAG | CODLOG | CODLAG | CODLAD |
出力 | 27,000 hp | 46,500 hp | 40,600 hp | 43,000 hp | |
速力 | 26 kt | ||||
兵装 | 砲熕 | 64口径127mm単装砲×1基 | 62口径5インチ単装砲×1基 | 70口径57mm単装砲×1基 | 64口径127mm単装砲×1基 |
27mm機関砲×2基 | ファランクス CIWS×2基 | 27mm機関砲×複数 | |||
RWS×5基 | DS30M 30mm機銃×2基 | M240またはM2機銃×複数 | 12.7mm機銃×複数 | ||
12.7mm機銃×2基 | ― | ― | |||
ミサイル | RAM 21連装発射機×2基 | VLS×24セル (シーセプター) |
Mk.41 VLS×32セル[注 1] | Mk.41 VLS×64セル (ESSM) | |
Mk.41 VLS×24セル[注 2] | RAM 21連装発射機×1基 | RAM 21連装発射機×2基 | |||
ハープーン 4連装発射筒×2基 | ― | NSM 4連装発射筒×4基 | NSM 4連装発射筒×2基 | ||
水雷 | ― | 3連装短魚雷発射管×2基 | ― | ― | |
艦載機 | NFH90×2機 | AW159 / AW101×1機 | MH-60R×1機 + MQ-8C×1機 | NFH90×2機 | |
同型艦数 | 4隻 | 8隻予定[注 3] (4隻建造中) |
20隻予定 (1隻艤装中) |
6隻予定 (1隻艤装中) |
# | 艦名 | 起工 | 進水 | 就役 |
---|---|---|---|---|
F227 | ニーダーザクセン | 2024年 6月3日 |
- | 2028年 7月(予定) |
F228 | ザールラント | 2030年 4月(予定) | ||
F229 | ブレーメン | 2031年 4月(予定) | ||
F230 | テューリンゲン | 2032年 1月(予定) |
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