Thor
Ciscoが開発した動画コーデック / ウィキペディア フリーな encyclopedia
Thor(ソア、ソー)は、シスコシステムズによって開発されたロイヤリティフリーのビデオコーデック(動画圧縮規格)である。Thorの仕様は、様々なインターネットドラフトで利用可能であった[1]。ちなみにThorは北欧神話のトール神を意味する。
2015年7月22日にNETVC(英語版)(ロイヤリティフリーの動画圧縮規格を策定するプロジェクト)のビデオ標準の候補としてIETF(インターネット技術特別調査委員会)に提出された[2]。 Thorは、H.265(HEVC)でも使われているシスコの技術要素を使用している[3]。 NETVCの業務の一部として、Thorで使われているConstrained Low-Pass Filter (CLPF)とフレーム間予測技術は、Daalaコーデック由来のLapped transform(英語版)技術と合わせて試験された[4]。
2015年9月1日、シスコは、Alliance for Open Mediaがロイヤリティフリーの動画圧縮規格であるAOMedia Video 1 (AV1)を開発するためにThorの技術要素を使用するであろうと発表した[5][6][7]。
初期のThor開発者であり、AV1の貢献者でもあるスタイナー・ミツコゲン氏(Steinar Midtskogen)によると、(2018年3月19日のNETVC会議101の時点において)同時期のAV1と打って変わってThorはCPUでリアルタイムにエンコーディングするのに向いているとのことである[8]。Thorの開発は、AV1を完成させるために停止してしまった。しかし、ミツコゲン氏は、Daalaのエントロピー・コーダーを組み合わせたさらなるThorの開発と映像コンテンツのためのツールをさらに増やすことを構想していた[9]。