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びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫
悪性リンパ腫の一つ ウィキペディアから
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びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(びまんせいだいさいぼうがたBさいぼうせいリンパしゅ、英: diffuse large B-cell lymphoma, not otherwise specified; DLBCL, NOS)は、悪性リンパ腫の種類の1つで、小型リンパ球の2倍を超えた、あるいは正常の組織球の核と同等かそれ以上の大きさの核を有する大型のB細胞性の腫瘍細胞が、びまん(瀰漫)性の増殖を示す、非ホジキンリンパ腫[1]。生物学的・臨床病理学的に異種なものを包括した疾患概念のため、後述するようにさらに細かな分類がなされている。
一部のDLBCLは、低悪性度リンパ腫(主に濾胞性リンパ腫)からの組織学進展から形質転換したものである。月単位で病気が進行する「中悪性度」に分類される[1]。
→「濾胞性リンパ腫 § 組織学的進展」も参照
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疫学
病因
一部のDLBCL(高齢者EBV陽性DLBCL, 慢性炎症関連DLBCLなど)はEBウイルスによるB細胞の腫瘍化が病因とされるが、それ以外のほとんどのDLBCLの病因は不明である。
組織学的分類
要約
視点
WHO分類第4版[3]で提唱されたupdated Kiel分類を踏襲した分類
- Centroblastic - 中心芽球亜型
- Imunoblastic - 免疫芽球亜型
- Anaplastic - 未分化大細胞型(上記2種類に該当しないほど強い異型性の巨核・多核細胞からなるもの。)
- Diffuse large B-cell lymphoma, subtypes
- T細胞組織球豊富型LBCL (T-cell/histiocyte-rich LBCL: THRLBL)
- 中枢神経原発DLBCL (Primary DLBCL of the CNS)
- 皮膚原発びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫, 足型 (Primary cutaneous DLBCL, leg type: PCDLBCL, leg type)
- 高齢者EBV陽性DLBCL (EBV positive DLBCL of the elderly)
他の大細胞型B細胞性リンパ腫
これらはWHO分類第4版では独立した疾患分類となっている。下記に該当しないものが、上記の狭義のDLBCLである。
- 慢性炎症関連DLBCL (DLBCL associated with chronic inflammation)
- 原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫 (Primary mediastinal (thymic) large B-cell lymphoma: PMBL)
- 血管内大細胞型B細胞性リンパ腫 (Intravascular large B-cell lymphoma) →詳細は「血管内大細胞型B細胞性リンパ腫」を参照
- Lymphomatoid granulomatosis: LYG
- ALK陽性大型B細胞リンパ腫 (ALK-positive LBCL) ― 通常CD20陰性のためリツキシマブ無効
- 形質芽球性リンパ腫 (Plamablatic lymphoma: PBL)
- HHV8関連多中心性キャッスルマン病に生ずる大細胞型B細胞性リンパ腫 (LBCL arising in HHV8-associated multicentric Castleman disease: LBCL in HHV8 MCD) →「キャッスルマン病」も参照
- 原発性滲出リンパ腫 (Primary effusion lymphoma: PEL)
境界型
他のリンパ腫との中間的な特徴を有し分類不能なもの
- B-cell lymphoma, unclassifiable, with features intermediate between DLBCL and Burkitt lymphoma →「バーキットリンパ腫」も参照
- B-cell lymphoma, unclassifiable, with features intermediate between DLBCL and classical Hodgkin lymphoma
検査所見
病理組織所見
一般検査所見
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診断
- 病変の生検などで上記の組織学的所見を認めれば本症と診断される。
- 他の一般的な悪性リンパ腫と同様に、病期分類はAnn Arbor分類が、予後予測は国際予後因子を用いる。→「悪性リンパ腫 § 病期分類」、および「悪性リンパ腫 § 予後因子」も参照
治療
病期・部位や年齢・合併症に応じて治療を決定するが、主に以下の治療が選択される。
- 限局期であれば、化学療法であるCHOP療法にリツキシマブを加えたR-CHOP療法を3コース行った後に放射線照射を行う[6](高齢者ではCHOP療法のドキソルビシンを、より心毒性が少ないとされるピラルビシンに替えたTHP-COPが用いられることがあるが、コンセンサスが得られている訳ではない)。または進行期と同様にR-CHOP×6~8コースも標準治療である[7]。
- 進行期であれば、R-CHOP療法を6コースまたは8コース[注釈 2]行う。これもリツキシマブ併用療法の方が奏効率、無増悪生存率、総生存率いずれも優れていることが示されている[8][9]。国際予後指標の予後不良群においては再発が多いため、若年者においてはR-CHOP療法6コース後に自己末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を行う事が検討されてきたが[10]、エビデンスは不足しており一般診療で初回化学療法後に奏効が得られた後の自家末梢血幹細胞移植は推奨されていない[7]。
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予後
脚注
関連項目
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