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りゅう座イプシロン星

りゅう座の恒星 ウィキペディアから

りゅう座イプシロン星
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りゅう座ε(りゅうざイプシロンせい、ε Draconis、ε Dra)は、りゅう座にある二重星である。

概要 りゅう座ε星 A / B ε Draconis, 星座 ...
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名称

アメリカのアマチュア博物学者アレンは、りゅう座ε星、りゅう座δりゅう座πりゅう座ρによって形作られる四角形が、「牡山羊」を意味するアルタイス(Al Tāis)と呼ばれた、と記している[10]。しかし、本来アラビアで"Al Tāis"という語が星の名付けに使われたことはなく、りゅう座ε星自身には、アラビア語で「蛇」を意味するal-tinnīnが記されていた[11]

この星は、多くの場合バイエル名で呼ばれるが、ティルTyl)という固有名も持つ[12]。この名前は、アントニーン・ベチュヴァーシュが用いたことから広まったとされ、その由来は不明である[13]

中国では、りゅう座ε星は、天廚拼音: Tiān Chú)という星官をりゅう座δ星、りゅう座σ、りゅう座ρ星、りゅう座64番星英語版、りゅう座π星と共に形成する。りゅう座ε星自身は、天廚三拼音: Tiān Chú sān)つまり天厨の3番星と呼ばれる[14][15]

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観測

りゅう座ε星は、赤緯が+70度あるため、主に北半球でみられる星で、南緯20度のすぐ北でほぼ地平線付近にみえる。北緯20度から北の地域では、周極星となり、一年中沈まなくなる。視等級が4等なので、大都市のような光害のひどい地域でなければ、肉眼でみることができる。

りゅう座が夜中に正中する北半球の夏が、りゅう座ε星の観測好機だが、周極星なので、広い範囲で季節を問わずみることができる。

星系

りゅう座ε星が二重星であることを最初に記録したのは、シュトルーベであるとされ、19世紀前半から知られていた[16]。明るい方のりゅう座ε星Aは、視等級が3.9、暗い方のりゅう座ε星Bは、視等級が6.8で、両者は見かけ上3.1離れている[1][9]。この2つの恒星は、連星である可能性が高いと考えられ、そうだとすれば、りゅう座ε星Aとりゅう座ε星Bの間の実際の距離は、140AU程度となる[17]

特徴

りゅう座ε星Aは、スペクトル型がG8 IIIの黄色巨星である[2]。質量は太陽の倍程で、半径は巨星なので更に大きい[6][5]。年齢も、太陽よりだいぶ若いとみられる[3]。一方、りゅう座ε星Bのスペクトル型はF5 IIIとされる[2]

2007年に公表された、ヒッパルコス衛星の改正データによれば、年周視差は22.04ミリ秒で、これに基づいて地球からの距離を計算すると、148光年となる[2]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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