トップQs
タイムライン
チャット
視点
アゼラスチン
ウィキペディアから
Remove ads
アゼラスチン(Azelastine)は、オプティバール(Optivar)などの商品名で販売されている主にアレルギー性鼻炎(花粉症)を治療するための点鼻スプレー薬、または、アレルギー性結膜炎の目薬として使用される医薬品である[2][3]。この他に、喘息や皮膚の発疹の治療にも用いられ、その投与法は経口である[4]。日本での商品名はアゼプチン。薬効の発現は、目薬の場合は数分以内、点鼻薬の場合は1時間以内である[3]。効果は最大12時間持続する[3]。日本では錠剤のみが承認されている。
一般的な副作用には、頭痛、眠気、味覚の変化、喉の痛みなどがあげられる[3]。妊娠中または授乳中の人への使用が安全かどうかは不明確である[5]。
アゼラスチンは第二世代の抗ヒスタミン薬であり、その作用機序はヒスタミンを含む多くの炎症性メディエーターの放出を阻害することにより効果がある[4][3]。
アゼラスチンは1971年に特許認可され、1986年に医薬品として使用されるようになった[6]。後発医薬品として入手できる。2019年時点のイギリスの国民保健サービスにかかる費用は、22mLのボトル1本約10.50ポンドである[2]。米国での卸売価格は22mLのボトル1本約8.40米ドルである[7]。
Remove ads
効能・効果
- 気管支喘息
- アレルギー性鼻炎
- 蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚瘙痒症、痒疹
副作用
重大な副作用は知られていない。
0.1~5%に、眠気、倦怠感、口渇、悪心・嘔吐、苦味感、味覚異常が生じる[8]。
アゼラスチンは、成人および小児のアレルギー性鼻炎患者において、安全かつ良好な忍容性を示す[9][10][11]。苦味、頭痛、鼻灼け、眠気が最も頻繁に報告される有害事象である。米国の処方勧告では、アルコールおよび/または他の中枢神経系抑制剤の同時使用が警告されているが、現在まで、アゼラスチン点鼻薬の中枢神経系への影響を評価した研究はない。最近の研究では、プラセボ投与と比較して同程度の傾眠(約2%)が認められている[12][13]。
鼻腔スプレーの抗ヒスタミン薬(アゼラスチン製剤を含む)で無嗅覚症が起こる可能性がある[3]。
作用機序
- 細胞内へのカルシウム流入抑制作用、5-リポキシゲナーゼの阻害作用、細胞内サイクリック AMP 上昇[14]作用、細胞膜安定化作用等により、肺組織、好中球、好酸球からのロイコトリエンC4、D4、B4の産生・遊離を抑制する。また、ロイコトリエンC4、D4の回腸及び気管支筋の収縮作用、ロイコトリエン B4の好中球遊走作用を抑制する[15][16][17][18]。
- 好塩基球および肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制し、気管筋、回腸を用いた収縮反応において抗ヒスタミン作用を示す[18][19][20][21][22]。
- 本薬は、ロイコトリエンB4による好中球の遊走、PAFによる好酸球の遊走・浸潤を抑制する。また好中球からの活性酸素の産生を顕著に抑制する[17][23][24]。
薬物動態
アゼラスチンの全身バイオアベイラビリティは、鼻腔内投与で約40%[31]、経口投与で約95%である[32]:14。最大血漿濃度(Cmax)は鼻腔内投与で2-3時間以内に、経口投与で約6時間[32]:13で観察される。排泄半減期は22時間、定常分布容積は14.5l/kg、血漿クリアランスは0.5l/h/kgである(静脈内投与および経口投与のデータに基づく)。また、経口投与量の約75%が糞便中に排泄される。経口投与したアゼラスチンの薬物動態は、年齢、性別、肝障害の影響を受けない[31]。
アゼラスチンは、シトクロムP450ファミリーによって酸化的に代謝され、N-デスメチルアゼラスチン(活性あり)と2つの不活性酸化代謝物(オキソ体と水酸化体)に変化する[31][32]:16。
出典
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Remove ads