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アリゲーター上科
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アリゲーター上科(アリゲーターじょうか、学名:Alligatoroidea)は、ワニ目の上科の一つ。クロコダイル上科やガビアル上科と並ぶ三大グループの一つである。後期白亜紀に出現し、全てのアリゲーター亜科やカイマン亜科、および他の2つの上科よりもアリゲーターに近縁な絶滅種を含む。
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定義
分岐学的に、アメリカアリゲーターと、ナイルワニやインドガビアルよりもそれに近縁な全てのワニとして定義される[1]。これはアリゲーターのステムベースの定義であり、クラウンベースのアリゲーター科よりも包括的である[2]。アリゲーター科は現生アリゲーターとカイマンの最も近い共通祖先と(現生種・化石種を問わず)その全ての子孫のみを含む。一方でアリゲーター上科は、クロコダイルまたはガビアルよりも現生アリゲーターに近縁な、より基盤的な絶滅したアリゲーターの祖先も含む。現生種のみを考える場合にはアリゲーター上科はアリゲーター科と同義であるため、アリゲーター科のみが用いられる。アリゲーター上科が用いられるのは、古生物学の文脈においてのみである。
進化史
アリゲーター上科は後期白亜紀に出現しており、カナダのアルバータ州に分布するカンパニアン階からレイディオスクスの化石が産出している[3]。また、同じくカンパニアン期ごろのアメリカ合衆国とメキシコには、デイノスクスと呼ばれる全長9 - 12メートル級の大型のアリゲーター上科が生息していた。デイノスクス・リオグランデンシスはアリゲーター上科で初の10メートル級の種であり、新鰐類まで範囲を広げてもこれほどの大型種はサルコスクス・インペラトールに次いで2例目であった[4]。
これら2属は基盤的なアリゲーター上科であり、より派生的なグループとしてディプロキノドン亜科とグロビドン類がいる。前者はレイディオスクスに似て吻部の長いグループで、古第三紀始新世から新第三紀中新世まで生息した。後期白亜紀カンパニアン期に出現したグロビドン類は吻部が短くて丸みを帯びており、全長も1.5メートル程度と小型のグループであった。長い吻部や2,3メートルを超えるような体格の獲得は、アリゲーター科の出現まで待たなくてはならなかった[3]。
アリゲーター上科は南北アメリカ大陸に主に分布し、白亜紀末の大量絶滅を乗り越えた後はユーラシア大陸にも分布を広げた。古第三紀にヨーロッパで出現したアリゲーター科は複数回に分けて北アメリカ大陸へ戻るように移り、特にアリゲーター属が支配的となった[3]。
派生的なアリゲーター科カイマン亜科の位置付けにはなってしまうが、新第三紀中新世のブラジルに生息したプルスサウルス・ブラジリエンシスも全長12.5メートルと推定されている。プルスサウルスはコロンビアとベネズエラからもより小型の別種が発見されてもいる[4]。現生種では、全長6メートルのアメリカアリゲーターが報告されたことがある[5]。
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分類
伝統的に、クロコダイルとアリゲーターはガビアルよりも互いに近縁と考えられており、ガビアル上科を排除したブレヴィロストレス類という分類群も考えられていた。この分類は現生種や化石種の骨格の特徴の分析に焦点を当てた形態学的研究に基づいている[6]。しかし、後のDNAシークエンシングを用いた分子系統解析では、アリゲーターよりもクロコダイルとガビアルが近縁であることが判明した[7][8][9][2][10]。クロコダイルとガビアルを包括する新しい系統群としてLongirostres (Longirostres) が Harshman et al., 2003 で命名された[7]。
2018年にLee & Yatesが形態学、分子(DNAシーケンス)、層位(化石年代)のデータを同時に用いて行った年代測定の研究により、ワニ目の中での相互関係が確立された[2]。2021年にはHekkalaらが絶滅したヴォアイからDNAを抽出して古代ゲノム学を用いてこれを拡張した[10]。
ワニ目 |
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(クラウングループ) |
出典
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