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アンキロポレクシア
恐竜の一種 ウィキペディアから
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アンキロポレクシア(Ankylopollexia)もしくは堅拇指類あるいは直拇指類は後期ジュラ紀から後期白亜紀まで栄えた恐竜上目鳥盤目のクレードの一つ。 イグアノドン類よりも派生的で、下位分類群として棘胸骨類(きょくきょうこつるい、スティラコステルナ)とハドロサウルス型類を内包する[1]。名称は古代ギリシャ語で「連結した」を意味する “ankylos” と「親指」を意味する “pollex”の組み合わせである。1986年にセレノによって提唱された。 このクレードを定義付ける中手骨と癒合した第一末節骨の特徴を表した命名である[2] 。多くのアンキロポレクシア動物は標本のもつ情報が乏しいか、あるいは単にまだ分析されていないかで明確に系統的位置づけができない。アンキロポレクシアの中で最も有名で最も繁栄したメンバーはイグアノドンである。
出現は1億5600万年前で、絶滅したのは6550万年前である[1]。ほとんどは中国、ヨーロッパ西部および東部、アメリカ西部で見つかっている。また彼らは植物食恐竜であり、肉食恐竜と比べて非常に大きく成長した。ほとんどのアンキロポレクシアの動物は前肢が短いことから、二足歩行だった[3]がゆっくり歩くときや立ち止まっている時は四本足だったと思われる。
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記載
先述の通りアンキロポレクシアは二足動物だったが、そのルールにはマンテリサウルスのようないくつかの例外がある。マンテリサウルスは前肢と胴体が短いので、動くときは二足歩行だが、立ち止まっている時とゆっくり歩くときに前肢が支えとなった[4]。
彼らはまた植物を磨り潰す為の強靭な顎と長い頭骨をもっている。多くは歯群をもっており、磨り減ると定期的に生え換わった[5]。
親指
名前の由来になっているとおり、アンキロポレクシアは親指がスパイクになっている。この特徴はほとんどの種に見られる。用途については未だに議論されている。捕食者から身を守る武器として使ったという説が有名だ[6]。果実や種子、同種に対して使ったのかもしれない[7]。トウィーディー・マイケルは毒腺に繋がっており毒液を注入するためのものだと述べている[8]が、スパイクには溝もないし中空にもなっていないので受け入れられていない。生体では表皮に覆われ、スパイク自体目立たなかった可能性もある[9]。ハドロサウルス類のバティロサウルスのそれは鉤爪状で4 cmの長さがある[10]。
サイズ
アンキロポレクシアは非常に巨大な動物だった。最大の物はハドロサウルス科のメンバーでもあるシャントゥンゴサウルスだ。その全長は14.7-16.6 mで、体重は最大のもので16 t以上(18 t)と推定されている[11][12]。彼らはこのクレードで最も派生的な種の一つでもある。一方、先述のマンテリサウルスの体重は約0.75 tだった[4]。 模式種カンプトサウルスの全長は6-7.9 mで、体重は785-874 kgだった[13] 一方、ポールはカンプトサウルスは全長5 m以下、体重は0.5 t以下だったと見積もっている[14]。原始的なアンキロポレクシアほど派生的なメンバーよりも小さかったようだ。 もちろん例外もある。基盤的なハドロサウルス類であるボロンの体重は200 kgしかなかった[15]。テティスハドロスに至っては派生的なハドロサウルス類の属だが、350 kgと推定されている。彼等には島嶼性矮小化が起こっていたと思われる[16]。
分布
ワイオミングで発見されたアンキロポレクシアの模式種、カンプトサウルス・ディスパル(Camptosaurus dispar)は多分カロビアンからオックスフォーディアン(1億5600万 - 1億7570万年前)のものと思われる[17] 。北米でそのクレードが栄え始めると、残りのメンバーは急速にヨーロッパとアジアに拡散して行った。白亜紀前期バランジアン期まで、アンキロポレクシアは北米でしか見られなかった。 しかし2000年代初頭、ランジョウサウルスが中国甘粛省北央で見つかった。それは約1億3000万年前の属で、大きな下顎をもつことで有名である[18]。しかしバーレミアン以前ではイングランドにおいてアンキロポレクシアはまだ多様であった。バリリウムは1億4000万年前まで存在していた[19]。 イグアノドン類を代表するイグアノドンは、ベルギーのアプチアン最初期に生息していた[20]。より繁栄したアンキロポレクシアとしてイグアノドン類は太古のヨーロッパで暮らしていた。このクレードはヨーロッパでは最終的に1億2500万年前に死に絶えた。 ハドロサウルス科は1億2200万年前のアジアに起源をもつと信じられている[21]。彼らは6550万年前に絶滅するまで、最終的にヨーロッパ、アジア、北アメリカに放散した[22]。
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系統発生
約1億5700万年前、アンキロポレクシアとドリオサウルス科はドリオモルファ類から2つのクレードに分岐したと信じられている。ドリオサウルス科は原始的なイグアノドン類で、アンキロポレクシアほど種が派生しなかった[21]。しかし彼らはハドロサウルス科を除けば、全てのアンキロポレクシアよりも長く生き延びていた[23]。
もともと1986年にセレノによって提唱されたアンキロポレクシアは、2005年のセレノの論文でより正式な物になった[2]。 1986年の論文で、カンプトサウルス科とスティラコステルナ類は別々のクレードとして用いられたが、2005年にはカンプトサウルス・ディスパルとパラサウロロフス・ワルケリ はセレノによって特定的かつより正式に特徴付けられたクレードの模式種とされた。そのクレードは鳥脚類の2つの主要なクレード、スティラコステルナとハドロサウルス形類を内包する。
以下はアンドリュー・マクドナルドの2012年時点での最新のクラドグラム[24]。
イグアノドン類 |
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出典
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