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エクサエレトドン

キノドン類の絶滅した属 ウィキペディアから

エクサエレトドン
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エクサエレトドン学名Exaeretodon、「臼歯に6つの縁を持つ物」の意)[1]は、大型で体高が低くパンゲア大陸南部に生息していた、トラベルソドン科英語版キノドン類絶滅した。本属には4が含まれ、南米インド地層から産出している[1]E. argentinusは、アルゼンチン北西部イスチグアラスト=ビジャ・ウニオン盆地英語版にあるイスチグアラスト層英語版カーニアン後期三畳紀)Cancha de Bochas Memberから産出している。E. majorE. riograndensisは、ブラジル南東部パラナ盆地英語版サンタマリア層英語版(カーニアン)から産出している[2]E. statisticaeは、インド下部マレリ層英語版(カーニアン)から産出している。

概要 エクサエレトドン, 分類 ...
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説明

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復元図
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ロイヤルオンタリオ博物館に展示されているエクサエレトドンの頭蓋骨

エクサエレトドンは最大全長2メートルに達した草食動物[1]、摂食時には特殊な咀嚼動作を行った。

分類学

エクサエレトドンはガンフォドントスクス亜科英語版のキノドン類である[3]アルゼンチン古生物学者ホセ・ボナパルテ英語版は本属を命名した際、他のトラベルソドン科と区別するいくつかの特徴を挙げた。Ischignathus sudamericanusの上顎の歯列は、エクサエレトドンよりも互いに平行に並び、口内の奥深くにの位置に配列されている。また、小臼歯は、頭蓋底の2つの穴である下側頭窓の中央と歯骨のascending rama(下顎から頭蓋骨まで伸びる突起)に向かって多く配置されている。ascending ramaは、I. sudamericanusの標本ではより幅が広く、より高くなっている。眼窩はエクサエレトドンのものより長く、口蓋骨も同様である[4]

こうした相違点にもかかわらず、2007年の研究では、I. sudamericanusの頭蓋骨はE. argentinusと同種であると結論付けられた。古生物学者のJun Liuは、アロメトリーを用い、I. sudamericanusE. argentinusの成長系列において既知されている中で最大の例であることを発見した。したがって、Ischignathusは現在エクサエレトドンのジュニアシノニムとされている。エクサエレトドンの成長に伴い、骨の比率が変化した。これらの比率の違いは、当初は種を区別する特徴と考えられていたが、現在では自然な個体発生における突然変異とされている[4]

Proexaeretodon vinceExaeretodon argentinusのシノニムと考えられていたが、2023年に有効種として認定された[3]

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系統発生

以下のクラドグラムはKammerer et al. (2012) によるものである[5]

Cynognathia

Cynognathus

Gomphodontia

Diademodon

トリラコドン科

Trirachodon

Cricodon

Langbergia

トラベルソドン科

Andescynodon

Pascualgnathus

Arctotraversodon

Boreogomphodon

Nanogomphodon

マセットグナトゥス亜科

Massetognathus

Dadadon

Santacruzodon

ガンフォドントスクス亜科

Gomphodontosuchus

Menadon

Protuberum

Exaeretodon

Scalenodontoides

古生物学

E. argentinusの4本の頬歯英語版に観察されたdental microwear (en) は、E. argentinusが顎を前後に動かす運動によって食物を咀嚼していたことを示唆している[6]

古生態学

現存する哺乳類と同様に、切歯、犬歯、臼歯を持っていた。これらの歯は、乳歯から永久歯へ一度だけ生え変わった[1]。歯の微細摩耗痕の根拠としては、E. argentinusが発育初期段階では主に砕くことを主体とした摂食行動をとっていたが、成体になると主に咀嚼を主体とした摂食行動に移行したことを示唆している。これは、この種の幼体がある程度の肉食性であったことを示唆している[7]。エクサエレトドンは、育児をしていたと考えらている[8]

古病理学

E. riograndensisの病理学的標本が発見され、肋骨に皮膚硬結状の隆起が見られた。これは、治癒した横方向の骨折に相当するもので、転倒、あるいは同種間もしくは他種間の戦闘後によって生じた可能性が高い。これらの損傷は個体の運動能力に著しい影響を与え、単独での生存不可能にしたと考えられる。これはこの動物の群居性が、個体を衰弱させる致命的な損傷から生き延びる助けになったことを示唆している[9]

脚注

関連項目

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