格子点
におかれたイオンの作る静電ポテンシャル
を例にとって説明する。
は係数を省略すれば次の式で書ける。

静電ポテンシャル
を、関数
を用いて、次のように分割する。

ここで、
として短距離で0に収束する関数をうまく選び、第1項の和が実空間で短距離で0に収束し、第2項の和が逆格子空間で短距離で0に収束すると計算上都合がよい。
実際には、
として相補誤差関数 erfc がよく使われる。Gを任意の定数として
を、
は誤差関数の定義式を代入すると

第2項で
とおいて変数変換する。

第2項の被積分関数は、格子の周期を持つ
の関数であるから、フーリエ級数に展開できる。単位格子の体積を
とおくと、次のように第2項を展開できる。

よって、
や
といった、
について速やかに0に収束する関数が現れる形に変形することができた。
後は、各項がそれぞれ
と
に対して速く収束するように適当なGの値を選べば効率よく計算できる。