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エル・エスコリアル修道院

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王立サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院(おうりつサン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルしゅうどういん、Monasterio de El Escorial)は、スペインマドリッド県 サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルにある広大な宮殿修道院博物館図書館の複合施設である。

概要 マドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地(スペイン), 英名 ...
概要 エル・エスコリアル修道院, 概要 ...

左右対称の幾何学的な設計で、外観は装飾を極力排除したシンプルなエレラ様式の建造物。内装は非常に豪華で、修道院の半円筒形の天井には学問を題材とする色彩豊かなフレスコ画が描かれている。

サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルは首都マドリッドの北西45kmに位置する[1]

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沿革

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フェリペ2世はエル・エスコリアル修道院に居住し、政務をとったという。

グアダラーマ山脈の麓にこの複合施設は国王フェリーペ2世の命令でスペイン王家の墓所でありスペインの対抗宗教改革の研究を目的として建てられた。これはフアン・バウティスタ・デ・トレードスペイン語版ジョヴァンニ・バッティスタ・カステッロファン・デ・エレーラスペイン語版の3人の建築家によって厳格な古典様式にデザインされ、1563年から1584年にかけて造営された[2]。建物は、聖ロレンソ殉教を記念するために格子型に形成されている。1557年サン=カンタンの戦いでは、スペイン軍はロレンソに捧げられた小さなを破壊したという。国王フェリペ2世は、勝利を授かった礼として聖人に修道院を奉献することを決断した。

概要

エル・エスコリアルの建築群は膨大な芸術の宝庫であり、スペインを中心に活躍した画家エル・グレコ (『聖マウリティウスの殉教』、『イエスの御名の礼拝』』) をはじめ、ティツィアーノ (『洗礼者聖ヨハネ』、『聖ラウレンティウスの殉教』)、ティントレットディエゴ・ベラスケス (『ヨセフの衣を受けるヤコブ』)、ロヒール・ファン・デル・ウェイデンパオロ・ヴェロネーゼアロンソ・カーノホセ・デ・リベーラクラウディオ・コエーリョなどの芸術家の傑作が収蔵されている。

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火災に見舞われた図書館から書物を運び出す館員たち。
(1872年10月、D.ヴィエルジュ画) [3]

敷地内には無数の貴重な古代古文書を収めた図書館がある。スペイン黄金時代美術5~18世紀頃の貴重な書籍が数多く保管されており、歴史的価値の高い蔵書の中には一般公開されていないものもある。

ここは、5世紀の間、アブスブルゴ(スペイン・ハプスブルク)家およびスペイン・ボルボン家スペイン国王の埋葬場所であった。

王家の霊廟にはカルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)フェリペ2世フェリペ3世フェリペ4世カルロス2世ルイス1世カルロス3世カルロス4世フェルナンド7世イサベル2世アルフォンソ12世アルフォンソ13世が眠っている。

なお、ボルボン朝のフェリペ5世ラ・グランハ宮殿附属教会の廟所に、フェルナンド6世はマドリードのサレサス・レアレス修道院に、サボヤ朝(サヴォイア)アマデオ1世トリノスペルガ聖堂に埋葬されている。

修道院は夏の間、王家の避暑の為の離宮としても使用され、多くの宮廷人で賑わった。スペイン音楽史上の重要な人物でもあるアントニオ・ソレル神父(1729年12月3日受洗 - 1783年12月20日)は、このような機会にドメニコ・スカルラッティから教わることも多かったとされている。

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現在

この複合施設はユネスコ世界遺産である(ID318)。きわめて人気の高い観光スポットで、旅行者はマドリッドから日帰りで訪れることが多い。尚、建造物の内部撮影は禁止されている。

マドリード=バラハス空港からエル・エスコリアル駅(El Escorial)の終点まで電車で移動でき、駅から修道院までの距離は徒歩で約30分。

サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルの周辺都市は、マドリード・コンプルテンセ大学の人気のある夏季コースの拠点でもある。同様に「エル・エスコリアル」と名づけられている麓の町には、スペイン国鉄RENFE)の同じ名前の駅がある。

エル・エスコリアルの近くには世界最大の十字架のある「戦没者の谷」(Monumento Nacional de Santa Cruz del Valle de los Caidos)がある。

世界遺産登録基準

この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
  • (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  • (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。

ギャラリー

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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