エレンバラ男爵

エレンバラ男爵（英語: Baron Ellenborough）は、連合王国貴族の男爵位。エドワード・ロウ（英語版）が1802年に叙されたのに始まる。2代男爵エドワード・ロウの代の1844年にエレンバラ伯爵に叙されたが、一代で廃絶した。

エレンバラ男爵 Baron Ellenborough
創設時期	1802年4月19日
創設者	ジョージ3世
貴族	連合王国貴族
初代	初代男爵エドワード・ロウ（英語版）
現所有者	9代男爵ルパート・ロウ
相続人	ジェイムズ・ロウ閣下
付随称号	なし
モットー	公法と私法は結びつく (Compositum Jus Fasque Animi )

エレンバラ男爵位のみ弟の系統に継承されて現在まで存続している。

歴史

シンド侵攻・併合を実施したインド総督初代エレンバラ伯爵・第2代エレンバラ男爵エドワード・ロウ

法律家でトーリー党の庶民院議員でもあるエドワード・ロウ（英語版）(1750–1818)は1802年4月11日にイングランド・ウェールズ首席治安判事（英語版）に就任したのを機として同年4月19日に連合王国貴族爵位カンバーランド州におけるエレンバラのエレンバラ男爵(Baron Ellenborough, of Ellenborough in the County of Cumberland)を与えられた^[1][2][3]。

その長男の2代男爵エドワード・ロウ(1790–1871)は、1842年から1844年にかけてインド総督を務め、シンド侵攻と併合を強行したことで知られる^[4]。インドから帰国した後の1844年10月22日に連合王国貴族爵位エレンバラ伯爵(Earl of Ellenborough)とグロスター州におけるソウザンのソウザン子爵(Viscount Southam, of Southam in the County of Gloucester)に叙せられた。しかし一人息子に先立たれたため、この2つの爵位は彼の死とともに廃絶している^[5][6]。

一方エレンバラ男爵位は、初代男爵の次男チャールズの息子であるチャールズ・ロウ(1820–1890)に継承された。彼は1885年に勅許をえて母の実家の家名を加えた「タウリー＝ロウ（Towry-Law）」に改姓している^[1]。その息子チャールズ・タウリー＝ロウ（英語版）(1856–1902)が4代男爵を継承したが、彼には子供がなかったため、初代男爵の三男ヘンリーの息子エドワード・ロウ（英語版）(1841–1915)が5代男爵、ついでその弟であるセシル・ロウ（英語版）(1849–1931)が6代男爵となった^[1]。

6代男爵以降は息子から息子への直系相続が続いており、現在の当主は9代男爵ルパート・ロウ（英語版）(1955-)である^[1][7]。

一覧

エレンバラ男爵 (1802年)

• 初代エレンバラ男爵エドワード・ロウ（英語版） (1750–1818)
• 2代エレンバラ男爵エドワード・ロウ (1790–1871)
  • 1844年にエレンバラ伯爵に叙される

エレンバラ伯爵 (1844年)

• 初代エレンバラ伯爵エドワード・ロウ (1790–1871)
  • 死去とともにエレンバラ伯爵位廃絶

エレンバラ男爵 (1802年)

• 3代エレンバラ男爵チャールズ・エドムンド・タウリー＝ロウ (1820–1890)
• 4代エレンバラ男爵チャールズ・タウリー・ハミルトン・タウリー＝ロウ（英語版） (1856–1902)
• 5代エレンバラ男爵エドワード・ダウンズ・ロー（英語版） (1841–1915)
• 6代エレンバラ男爵セシル・ヘンリー・ロウ（英語版） (1849–1931)
• 7代エレンバラ男爵ヘンリー・アステル・ロウ（英語版） (1889–1945)
• 8代エレンバラ男爵リチャード・エドワード・セシル・ロウ（英語版） (1926–2013)
• 9代エレンバラ男爵ルパート・エドワード・ヘンリー・ロウ（英語版） (1955-)
  • 法定推定相続人は現当主の息子ジェイムズ・ルパート・トマス・ロウ (1983-)

系譜図

系譜図

エドワード 初代エレンバラ男爵 (1750-1818)

エドワード 初代エレンバラ伯爵 初代ソウザン子爵 第2代エレンバラ男爵 (1790-1891)

チャールズ (1792-1850)

ヘンリー

チャールズ (タウリー＝ロウに改姓) 第3代エレンバラ男爵 (1820-1890)

エドワード 第5代エレンバラ男爵 (1841-1915)

セシル 第6代エレンバラ男爵 (1849-1931)

チャールズ 第4代エレンバラ男爵 (1856-1902)

ヘンリー 第7代エレンバラ男爵 (1889-1945)

リチャード 第8代エレンバラ男爵 (1926-2013)

ルパート 第9代エレンバラ男爵 (1955-)

ジェイムズ (法定推定相続人) (1983-)