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エンテカビル

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エンテカビル
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エンテカビル(Entecavir、商品名:バラクルード)とは、DNAアナログで、B型慢性肝炎の治療に用いられる逆転写酵素阻害剤の一つである。

概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...

B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus, 以下HBV)は、その生活環のなかでRNAからDNAへの逆転写を行う。ヒトの細胞は逆転写を必要としないので、この段階を阻害すればHBVの複製のみを阻止できる。複製阻害によりウイルスの増殖は阻止できるが、HBV共有結合閉環DNA(cccDNA)と呼ばれる段階でのウイルスDNAには作用せず、cccDNAは細胞内に残存するため、継続的に服用する必要がある。

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適応症

急性B型肝炎は適応外であるが処方されることがある。

副作用

臨床試験での副作用発現率は29.8%で、主なものは鼻咽頭炎(8.3%)、頭痛(4.8%)、下痢(2.4%)、背部痛(2.4%)、不眠症(2.4%)、リパーゼ増加(13.1%)、ALT(GPT)上昇(8.3%)、AST(GOT)上昇(6.0%)等であった[1]

重大な副作用欄には、肝機能障害、投与終了後の肝炎の悪化(6% 海外の臨床試験では12%とも)、アナフィラキシー様症状、乳酸アシドーシスが記載されている。

特徴

薬理学的な特徴として、逆転写酵素阻害以外に、エンテカビルによるプライミング阻害、マイナス鎖HBV-DNA→プラス鎖HBV-DNA合成阻害がある。

瀰漫性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)で、R-CHOP療法リツキシマブシクロホスファミドドキソルビシンビンクリスチンプレドニゾロン)を受ける患者に対し、エンテカビルの投与はR-CHOP後のB型肝炎ウイルス(HBV)関連肝炎の予防効果が高いことが判明した。エンテカビル投与群ではHBV関連肝炎発生率は0%と報告された[2]

脚注

関連項目

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