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オカヨシガモ

カモ目カモ科ヨシガモ属に分類される渡り鳥。保全状況評価は絶滅の危険なし。丘葦鴨、学名はMareca strepera ウィキペディアから

オカヨシガモ
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オカヨシガモ(丘葦鴨[1]Mareca strepera)は、カモ目カモ科ヨシガモ属に分類される鳥類

概要 オカヨシガモ, 保全状況評価 ...
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Mareca strepera
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形態

全長46-58センチメートル[2]。翼開張84-95センチメートル[2]体重0.5-1.1キログラム[3]。次列風切の光沢(翼鏡)は白い[2][4]。次列風切は白い[2][4]

後肢は橙色や橙黄色[2][5][4]

卵は長径5.5センチメートル、短径3.9センチメートルで、殻は淡黄褐色[6]

繁殖期のオスは頭部の羽衣が褐色や灰褐色で[2][4]、黒い斑点が入る[5]。尾羽基部を被う羽毛(上尾筒、下尾筒)が黒い。尾羽は黒や灰褐色[5][4]。嘴が黒い[2][4]。非繁殖期のオス(エクリプス)やメスは全身の羽衣が褐色で、黒褐色の斑紋が入る[2][4]。メスは嘴が橙色で、嘴上部に黒い斑紋が入る[2][4]

  • M. s. strepera オカヨシガモ

翼長オス26-28.2センチメートル、メス23.5-26センチメートル[5]

他のカモ類の雄は、繁殖期になると頭部が緑色や赤茶色など派手な色をしているのに対し、オカヨシガモの雄は繁殖期でも頭部は褐色で、他のカモ類のメスとあまり差がないため、野鳥愛好家の間では"地道なカモ"として有名になっている。

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生態

湖沼湿原三角州などに生息する[6][5]

食性は主に植物食で、種子、茎、葉、根、水生植物、昆虫、魚類、両生類などを食べる[6][3]。主に小規模な集団で水面に頭をつけて泳ぎながら採食を行う[6]

繁殖形態は卵生。集団繁殖地(コロニー)は形成しないものの巣から5メートル以内に別の個体が巣を作ったり、十数メートル間隔で数十個の巣が密集した例もある[6][3]。5-7月に水辺の茂みなどに枯れ草を組み合わせた巣をメスが作り、8-12個の卵を産む[6][5][3]。メスが抱卵し、抱卵期間は24-26日[6][3]

分布

北半球に広く分布する。冬季になるとアフリカ大陸北部、ヨーロッパ南部、インド中華人民共和国東部などへ南下し越冬する[6][2][5][3]。日本では亜種オカヨシガモが冬季に越冬のため少数飛来し(冬鳥)、北海道(北部や東部[7])ではごく少数が繁殖する[6][2][5][3][4]

  • M. s. strepera オカヨシガモ
  • M. s. couesi ファニングオカヨシガモ

キリバスワシントン島[5][a 1]

分類

  • Mareca strepera strepera  オカヨシガモ Common gadwall
  • Mareca strepera couesi  ファニングオカヨシガモ Coues's gadwall

人間との関係

肉は食用。

世界的に重要な狩猟鳥類の一つである。ただし、日本では飛来数が少ないこともあり利用は稀であったようである。一応、1960年代まで狩猟対象が「オシドリを除くカモ類」と大きなくくりとなっていた時代は本種も捕獲できたようであるが、現在の「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(平成十四年法律第八十八号、通称:鳥獣保護法)の施行規則第十条に定める狩猟鳥獣の一覧にも入っておらず[8]、日本では狩猟鳥獣ではない。違反すると同法八十三条などにより罰則がある[9]

名前

標準和名は「オカヨシガモ」とされ、『日本鳥類目録』(1974)[10]、『世界鳥類和名辞典』(1986)[11]などではこの名前で掲載されている。

地方名はあまり知られておらず、ヨシガモM. falcata)が多数の名前を持つのと対照的である。『狩猟鳥類ノ方言』(1921)によれば、東京の多摩川下流の羽田地域では本種を「ササヨシ」「ハヨシ」などと呼んでいたという[12]

種小名 streperaは「騒々しい」という意味で、鳴き声に由来する命名である[13]

参考文献

関連項目

外部リンク

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