主に西洋音楽における古典音楽 ウィキペディアから
今日一般的に「クラシック音楽」と称されるものはバロック音楽、古典派音楽、ロマン派音楽に当たる1550年頃から1900年頃の音楽であるが、それ以前のものも、それ以後のものも、同じ流れに属する音楽は今日あわせてクラシック音楽と呼ばれることが多い。また、古典派時代の宴席用音楽、ロマン派時代のウインナワルツなど、純粋に観賞用としてつくられたわけではない実用音楽も、今日ではクラシック音楽と呼ばれている。主な時代区分を以下に示す。
「クラシック音楽classical music」という用語は早くとも19世紀まで使われていなかった。その頃、ヨハン・ゼバスティアン・バッハからルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンまでの時代の音楽を復活させる試みがなされたことにより、クラシック音楽が他と区別されるようになった[3]。初めてオックスフォード英語辞典でクラシック音楽が言及されたのは1836年のことである[4]。
8世紀頃、キリスト教の聖歌であるグレゴリオ聖歌が誕生し、9世紀頃にはグレゴリオ聖歌がネウマ譜で記譜されるようになった[5]。これが中世西洋音楽の始まりである。11世紀頃にはオルガヌムと呼ばれる多声音楽が生まれ、12世紀後半頃からはサン・マルシャル楽派やノートルダム楽派によってさらに発展した[6]。15世紀にはブルゴーニュ公国でブルゴーニュ楽派、ついでフランドル楽派が成立し、ルネサンス音楽が確立された[7]。16世紀には本格的な器楽音楽の発達[8]、オペラの誕生が起こり[9]、宮廷の音楽が栄えた(バロック音楽)。バロック音楽の代表的な作曲家としては、ヨハン・ゼバスティアン・バッハとゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが挙げられる[10]。これ以前の音楽を初期音楽とよぶことが多い。
その後1720年頃になると民衆にも現在「クラシック音楽」と呼ばれているような芸術音楽が広まり、古典派音楽とよばれる「形式」や「和声」に重点をおいた音楽に発展した。1720年代から1780年代までは前古典派と呼ばれる作曲家群の活動が続き[11]、1780年代から1820年ごろにかけてフランツ・ヨーゼフ・ハイドン、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの3人によるウィーン古典派の活動によって古典派音楽は最盛期を迎えた[12]。またこの頃から一般的に音楽が芸術として見られるようになる。
19世紀に入ると「表現」に重点を置いたロマン派音楽に移行し[13]、まずフランツ・シューベルト、次いでロベルト・シューマン、フェリックス・メンデルスゾーン、フレデリック・ショパンといった作曲家が盛んに作曲を行った[14]。19世紀半ばにはフランツ・リスト、リヒャルト・ワーグナー、ヨハネス・ブラームス、アントン・ブルックナーらが現れ[15]、各国の民謡や民族音楽の要素を取り入れた国民楽派も生まれる[16]。20世紀頃には「気分」や「雰囲気」で表現する印象主義音楽や、和声及び調の規制をなくした音楽などの近代音楽が生まれ、さらに第二次世界大戦後は現代音楽とよばれる自由な音楽に発展していった。[注釈 1]
音楽チャートにクラシック音楽のアイテムがめったに登場しないことからもわかるとおり、クラシックファンの数はポピュラー音楽ファンに比べて圧倒的に少ない。しかし、いくつかの成功例がある。
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