第二種クリストッフェル記号は下の添字について対称
定義から明らかに

が成り立つ。
第二種クリストッフェル記号はテンソルではない
第二種クリストッフェル記号について、座標系 xh から座標系 uh (h = 1, 2, ..., n) への変数変換を行うと

- ここで、上線は u-座標系に関するクリストッフェル記号であることを表す。
となる。この式から第二種クリストッフェル記号はテンソルの成分ではないことが判る。
測地座標系のある一点においてクリストッフェル記号は 0
曲面上のすべての点でクリストッフェル記号が 0 となるような座標系が存在するならば、その曲面は伸縮することなく平面上に展開可能なものだけであり、それ以外の場合には、曲面上のすべての点で
となるような座標系は一般に存在しない[3]。ただし、曲面上のある特定の一点 xi0 でならば
となるような座標系をとることができる[注釈 11]。
ここで、
ただし、
なる座標変換を行う。このとき、uh で偏微分を行うと

となり、さらに ul で偏微分を行うと

となる。したがって、xi = xi0 のとき ui = 0 であることから、

を得る。よって、ある一点 xi0 におけるクリストッフェル記号の変数変換式が

であることから、

すなわち、クリストッフェル記号はある一点 xi0 においては全て0となることが導かれる。
このような座標系を、点 u0 = 0 を原点とする測地座標系(geodetic coordinate system)と呼ぶ。なお、測地座標の原点においては、テンソルの共変微分と通常の微分が一致する[4]。
測地座標系の原点において共変微分は通常の微分と一致する
一階共変テンソルを wi とするとき、その共変微分は

で定義される。座標系 (xh) を測地座標系 (uh) へ座標変換すると、その原点において
となる。
したがって、wi の共変微分は ui = 0 において、

と、共変微分と通常の微分が一致する。
基本計量テンソルの行列式による表示
n 次元リーマン多様体の基本計量テンソル gij は n × nの正方行列であると見なせることからその行列式 g

を定義することができる。ここで、gij の余因子行列を Gij とし、g を xk で偏微分すると

となる[注釈 12]。さらに余因子行列を行列式で割ったものは逆行列となるが、それは反変版の基本計量テンソルに他ならない。つまり、Gij = ggij。よって

よって

が得られる。