計量テンソル
を持つリーマン多様体上の微分可能な曲線
のある一点
から他の一点
までの長さ S は積分

で与えられる。この変分
について
となる曲線
をそのリーマン多様体の測地線と呼ぶ。この曲線
について
となるための必要十分条件は曲線
がオイラー=ラグランジュ方程式
ただし、
を満たすことである。

整理すると、

となる。上式に
を掛け合わせ a に関して足しあわせを行うと、

となるが、ここで弧長 s を媒介変数の一次関数と置き直せば
となる。特に媒介変数 t を弧長 s と置き直せばより簡単になり、

を得る[3]。最後にクリストッフェル記号

で置き直せば、上式は、

と表されることになる。これを測地線の方程式(geodesic equation)という。
は
の始点からの長さを表す弧長パラメータである。たとえば、3次元の空間が平坦である場合は、
であり、接続はすべて0となる為、測地線の方程式は単に
となる。つまり、
は
の1次式であり
通常の直線の方程式を表すこととなる。
この方程式は、最短測地線の満たすべき「2点間の最短距離を示す」という性質、或いは、「測地線
の接ベクトル場はレヴィ-チビタ接続(リーマン接続)に関して平行である」という性質により導かれる。
繰り返しになるが、微分方程式は局所的な情報を与えるものなので、大域的な曲線の長さなどを表すものではなく、したがってこの方程式で定義される測地線が必ずしも最短測地線とはならないことに注意されたい。