クルー侯爵

クルー侯爵（英: Marquess of Crewe）は、かつて存在したイギリスの侯爵位。第2代ホートン男爵ロバート・クルー=ミルンズが1911年に叙されたが、彼一代で廃絶した。本項では、前身となったホートン男爵についても触れる。

クルー侯爵 Marquess of Crewe
紋章記述 Arms:Quarterly, 1st and 4th, Azure a Chevron between three Windmill Sails Or (Milnes); 2nd and 3rd, Azure a Lion rampant Argent (Crewe).Crests:1st: A Garb Or charged with a Fess dancettée Azure thereon three Mullets Argent (Milnes); 2nd: Out of a Ducal Coronet Or a Lion's Gamb erect Argent (Crewe).Supporters:On either side a Pegasus Argent gorged with a Collar dancettée Azure thereon three Mullets Argent in the mouth a Branch of Laurel proper
創設時期	1911年7月3日
創設者	ジョージ5世
貴族	連合王国貴族
初代	初代クルー伯爵ロバート・クルー=ミルンズ
最終保有者	初代クルー侯爵ロバート・クルー=ミルンズ
相続資格	初代侯爵の嫡出直系男子
付随称号	クルー伯爵 メイドリー伯爵 ホートン男爵
現況	廃絶
断絶時期	1945年7月20日
邸宅	クルー・ホール メイドリー・マナー
モットー	私は自分の信じた者がなにか分かっている (Scio Cui Credidi)

歴史

初代侯ロバート・クルー=ミルンズ

ヴィクトリア朝期の詩人にして作家リチャード・モンクトン・ミルンズ（英語版）(1809-1885)は1863年に、連合王国貴族爵位のヨーク州ウェストライディングにおけるグレート・ホートンのホートン男爵(Baron Houghton, of Great Houghton in the West Riding of the County of York)に叙された^[1][2][3]。リチャードが1885年に没すると、息子のロバートが爵位を襲った。

2代男爵ロバート(1858-1945)は自由党の有力な政治家で、アイルランド総督や枢密院議長といった顕職を歴任した^[3][4]。

彼はアイルランド総督退任後の1895年7月17日に連合王国貴族としてチェスター王権伯領におけるクルー伯爵(Earl of Crewe, in the County Palatine of Chester)に昇叙した^[4][5]。彼はさらにインド相在職中の1911年7月3日にクルー侯爵(Marquess of Crewe)に陛爵するとともに、スタッフォード州におけるメイドリー伯爵(Earl of Madeley, in the County of Stafford)に叙せられた^[4][6]。

しかし、初代侯ロバートは息子に先立たれていたため、初代侯爵の死後、すべての爵位は廃絶した^[4]。

かつての一族の邸宅には、チェシャー州クルーに位置したクルー・ホール(Crewe Hall)や、スタッフォード州ニューキャスル近郊のメイドリー・マナー(Madeley Manor)などがあった^[3]。

一覧

ホートン男爵（1863年）

• 初代ホートン男爵リチャード・モンクトン・ミルンズ（英語版）（1809–1885）
• 第2代ホートン男爵ロバート・オフリー・アシュバートン・クルー＝ミルンズ （1858–1945）（1895年にクルー伯爵 、1911年クルー侯爵叙爵 ）

クルー侯爵（1911年）

• 初代クルー侯爵ロバート・オフリー・アシュバートン・クルー=ミルンズ （1858-1945）
  • リチャード・チャールズ・ローデス・ミルンズ閣下（1882–1890）
  • メイドリー伯爵リチャード・ジョージ・アーチボルド・ジョン・ルシアン・ハンガーフォード・クルー=ミルンズ（1911–1922）