この節では、添字は 1 から n の間の値をとるものとする。
2階(1, 1)型テンソルとしてのクロネッカーのデルタは

である。
これを高階に拡張したものとして、n 次元、2p 階の一般化されたクロネッカーのデルタがある。これは (p, p) 型テンソルで、上下それぞれの添字に対して反対称である。
定義
一般化されたクロネッカーのデルタの定義は

である[2][3]。
なお、"
" は
が全て異なり、かつ、
の偶置換の場合を指し、"
" は
が全て異なり、かつ、
の奇置換の場合を指し、"
" は上記以外のすべての場合を指す。
を p 次の対称群とすれば

と表現でき、反対称化の記号を用いると:

となる。また、p × p 行列式で表現すると[4]:

となる。
行列式の余因子展開を用いると再帰的な定義:

が得られる。ただし、チェック(
)が付いた項は式から外されるとする。
n=p の場合、(高階に拡張された)エディントンのイプシロンを使えば:

となる。
逆にエディントンのイプシロンの定義と考えることもできる。


演算規則
反対称化を一般化されたクロネッカーのデルタを使って定義すると

となる。
これより、以下の演算規則が導かれる。

これらは#性質の節の内容の一般化であり、3番目の式はコーシー・ビネの公式に対応する。
添字の縮約については 0≤m<k≤n として[5]、

あるいは

が成立する。
特に k=n のとき、

あるいは


が成立する。