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ケンティスクス
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ケンティスクス(学名:Kentisuchus)[1]は、従来的にトミストマ亜科に属すると考えられていた、インドガビアル上科に属する絶滅したワニの属。化石はイングランドとフランスから産出しており、古第三紀始新世前期まで遡るものである[2]。本属はウクライナからも記録があるが、ウクライナの標本が真にケンティスクスのものであるかは定かでない[3][4]。
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種

ケンティスクス属は1955年にチャールズ・ムックが設立した属であるが、対象であった種 "Crocodylus" toliapicusはリチャード・オーウェンが1849年に記載していた。ウィリアム・バックランドはイングランドのケントに位置するシェピー島から発見された部分的な頭蓋骨に基づいて "Crocodylus" spenceri を命名した[5][6][7]。1888年、リチャード・ライデッカーは "C." toliapicus が "C." champsoides および "C." arduini とのシノニムであると考え、これらの全ての種を "C." spenceri とした[8][9]。
属名 Kentisuchus はこれらの標本がクロコダイル属と明らかに異なること、特に当初 "C." spenceri とされた一部の標本については全く異なる属種に属することが判明した後に名付けられた。"C." arduini は新属メガドントスクス属とされ、同一の論文においてケンティスクスも初めて記載された。2007年に発表されたヨーロッパの始新世のトミストマ亜科のレビューにおいては、K. toliapicus と K. champsoides は K. spenceri とのシノニムとされている[10]。
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系統
要約
視点

K. spenceri と Eosuchus lerichei は形態が似ており、これまでエオスクスはトミストマ亜科であることが示唆されると解釈されてきた。しかし、エオスクスは基盤的な正鰐類であり、ワニのクラウングループからは外れている[11]。以下のクラドグラムは形態系統解析に基づくもので、ケンティスクスはマレーガビアルに近縁なトミストマ亜科の属として位置付けられている[12]。
クロコダイル科 |
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ただし、マレーガビアルを含むトミストマ亜科の系統的位置について形態学的研究からはインドガビアル上科ではなくクロコダイル上科への位置付けが示唆されているが[13]、DNAシークエンシングを用いた分子系統解析からはマレーガビアルとインドガビアルが互いに近縁であることが示唆されている。すなわち、これはマレーガビアルとそれに関連する化石種がインドガビアル上科インドガビアル科に属することを意味する[14][15][16][17][18][11][19]。以下のクラドグラムは Lee and Yates (2018) に従うもので、形態情報・分子情報(DNAシークエンシング)・層序情報(化石の年代)を用いている。ケンティスクスはマレーガビアルとインドガビアルの最も近い共通祖先よりも基盤的とされ、インドガビアル上科に位置付けられている[11]。
インドガビアル上科 |
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(ステムグループ) |
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出典
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