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コアノゾア
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コアノゾア (学名: Choanozoa) あるいはコアノゾア類[2] (コアノゾアるい) は、フィロゾアに属する真核生物の一群である。
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概要
襟鞭毛虫類と後生動物から構成される。襟鞭毛虫類と動物が姉妹群であるということは、動物の起源を探る上で重要な意味を持つ[3]。
この襟鞭毛虫類+動物のクレードは2015年に「アポイコゾア」(Apoikozoa)[4]と命名されているが、いくつかの観点から2017年に「コアノゾア」を使用することが提唱され[5]、2018年に出版された国際原生生物学会による分類体系でも推奨されている[6]。
名前の"Choanozoa" は、古代ギリシア語: χόανος (choanos)=漏斗または襟、ζῶον (zōon)=動物に由来する。
形態
襟鞭毛虫類と動物界が密接に関係していることは古くから認識されており、1841年にデュジャルダンによって襟鞭毛虫と海綿動物の形態学的類似性が記録されたことに遡る[7]。特に、襟鞭毛虫の細胞と海綿動物の襟細胞は形態的によく似ている。この関係は、分子系統解析によっても何度も確認されたが、この関係は確かめられてきた。しかし、2013年の有櫛動物(クシクラゲ類)の系統的位置に関する研究で、この相同性には疑問が投げかけれており、議論が続いている[8][9]。近年のゲノム研究では、襟鞭毛虫には動物の多細胞性における重要な遺伝子があることが報告されている。
語源
「コアノゾア」という言葉はもともと、1991年にトーマス・キャバリエ=スミスが原生生物の中でも原始的な一群に対して用いたものであるが、それらが単系統でないことがわかったため、用いられなくなっていた。
Brunet & King (2017)は、襟鞭毛虫類と動物からなるクレードに対して、「コアノゾア」を再定義して用いることを提唱した。古代ギリシア語のchoanē には襟の意味があり[注釈 1]、これはコアノゾア類の共有派生形質である襟状構造を指す。
このクレードに対しては先に「アポイコゾア」(Apoikozoa)の名が用いられていた。これは古代ギリシア語でコロニーを指す語と動物を指す語の複合語で、多細胞組織を形成する動物と襟鞭毛虫類の共通点を指している[6]。しかし、多細胞性は動物においては常に見られるものだが、襟鞭毛虫では稀にしか現れないため、両者の共通祖先で見られる性質として妥当かどうかは疑問の声があった。さらに、コロニーを形成する形質は他の生物でも見られることもあり、より適切な名前が用いられることとなった[6]。
進化
コアノゾア類の共通の祖先は明確には復元できないものの、グレイアム・バッドとソーレン・イェンセンの推測では、約6億3500万年前〜5億4000万年前のエディアカラ紀にコアノゾアが海底で微生物マット(柔らかなマット状になった微生物の集合体)を形成し、他の生物と空間を巡る競争関係にあったと考えている。そうであれば、動物と、その祖先の単細胞生物、そしてその間の時代に見られる謎の多いエディアカラ生物群が繋がることになり、最初期の動物とその生態が復元できることになる[4]。
コアノゾア類は系統樹内で以下のような位置におかれる[10][11][12](Holomycotaの系統樹は[13]に基づく)。系統樹の年代はそのクレードの中で最初に分岐が起こったおよその年代を示す(バッドとイェンセンの後の論文では、より若い年代を与えることに注意。キンベレラの記事も参照のこと)。
オピストコンタ |
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13億年前 |
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脚注
関連項目
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