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シベリオン
カンブリア紀の葉足動物 ウィキペディアから
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シベリオン(Siberion)は、約5億年前のカンブリア紀に生息したシベリオン類の葉足動物の一属[1]。ロシアのシベリア大陸で見つかった Siberion lenaicus という1種のみによって知られる[1]。
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化石と発見
シベリオンの化石標本は、ロシアのシベリア大陸レナ川付近にある、古生代カンブリア紀第四期(約5億1,400万 - 5億900万年前)に当たる堆積累層 Sinsk Formation(Sinsk Biota)のみから発見される[1]。模式標本(ホロタイプ)かつ唯一の化石標本でもある ZPAL V37/1 のみ知られるが、保存状態は不完全で、その産出地も化石商人によって破壊されたため、それ以上に完全な化石標本と情報を得られる可能性は低い[1]。
形態
- シベリオンの全身復元図(前部付属肢と葉足の細部構造は推測的)
体長約7cmのやや大型の葉足動物である[1]。他のシベリオン類(メガディクティオン[2]、ジェンシャノポディア[3])と同様に丈夫な体型と強大な前部付属肢をもつが、胴部のこぶや尾部と思われる部分の形により区別される[1]。唯一の化石標本 ZPAL V37/1 は全身を保存されたが、所々が不完全で、特に体の前後と付属肢(前部付属肢・葉足)の細部は不確かな部分が多い[1]。
表皮は細かな環形の筋(annulations)に分かれている[1]。頭部の保存状態は悪く、腹面には乳頭突起(papillae)に覆われた放射状の口器らしき痕跡、左右には1対の強大な前部付属肢(frontal appendage)をもつことが分かるが、それ以上の細部構造は不明[1]。胴部は体節(胴節)1節/葉足1対につき約9本の筋に分かれ、腹面と推測される表面には左右2列の小さなこぶが並んでいる[1]。胴部の両腹側に少なくとも12対の葉足(脚)をもつことが分かるが、それ以上の細部構造は不確実で、後縁はメガディクティオンのように数本の突起物(appendicules)があったと推測される[1]。12対目の葉足の直後には1本の構造体が突出し、片側の脚を表した可能性はある[4]が、表皮の筋は胴部に対応するため、丸みを帯びた尾部だと考えられる[1]。
内部構造は消化管のみ知られ[1]、他のシベリオン類と早期の節足動物(パンブデルリオン、ケリグマケラ、オパビニア、ラディオドンタ類、イソキシス類、メガケイラ類など)に見られるような消化腺(digestive gland、中腸線 midgut diverticula)[5]の有無は不明[4]。
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分類
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系統解析に示されるシベリオンの系統的位置 *:葉足動物、†:絶滅群 |

葉足動物の中で、シベリオンはメガディクティオン、ジェンシャノポディアと共にシベリオン類(siberiids、シベリオン目 Siberiida・シベリオン科 Siberiidae[1]、giant lobopodians[6][7][8]、ジェンシャノポディア類 jianshanopodians [4]とも)としてまとめられる[1]。この類の葉足動物は基盤的な節足動物(パンブデルリオン、ケリグマケラ、オパビニア類、ラディオドンタ類)に似た強大な前部付属肢と消化腺をもつことにより、節足動物の初期系統(ステムグループ)の一部として広く認められ[2][9][10][11][12][5][4][13][14][15][16][17][18][19][6][7][20][21][8][22]、典型的な葉足動物(Xenusia類)と基盤的な節足動物の中間型(ミッシングリンク)を表したとされる[3][2][1]。
→詳細は「シベリオン類」および「葉足動物 § 節足動物との関係性」を参照
シベリオン(シベリオン属 Siberion)は、ロシアのシベリア大陸の Sinsk Formation(Sinsk Biota)で見つかった模式種(タイプ種)Siberion lenaicus のみ正式に記載される[1]。
脚注
関連項目
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