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ストームウォッチ〜北海油田の謎
ジェスロ・タルのアルバム ウィキペディアから
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『ストームウォッチ〜北海油田の謎』(原題:Stormwatch)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンドであるジェスロ・タルが1979年に発表した12作目のスタジオ・アルバム。『神秘の森〜ピブロック組曲』(1977年)、『逞しい馬』(1978年)に続く「フォークロック三部作」の最終作と位置付けられている[12]。
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背景
ベーシストのジョン・グラスコックは健康上の問題により本作のレコーディングに全面参加できず、「オリオン星座」、「フライング・ダッチマン」、「エレジー」の3曲でベースを弾くにとどまり、残りの曲ではイアン・アンダーソンがベーシストも兼任した[13]。アンダーソンは後年、「このレコードには、バリー(バリモア・バーロウ)が残した最高の名演が幾らか入っている」「私がベースを弾いたことで、私とバリーの間には、それまでになく強い音楽的な絆が生まれた」「もちろん、ジョンが健康な状態でレコーディングに全面参加できれば、もっと嬉しかったんだけどね」とコメントしている[12]。
アンダーソンはイギリスやノルウェーなどが開発を進めていた北海油田に関心を抱いており、本作に収録された「北海油田」だけでなく、「ブロードフォード・バザール」[注釈 1]という曲でも北海油田を歌っている[14]。「ダン・リンギル」にはテームズTVの気象予報士フランシス・ウィルソンがスポークン・ワードで参加しており、そのフレーズは本作のジャケットにも印刷された[14]。「エレジー」はデヴィッド・パーマーが自分の父親に捧げて書いたインストゥルメンタルである[13]。
グラスコックの体調は結局回復せず、彼は本作のリリース後に死去した[13]。ジェスロ・タルはフェアポート・コンヴェンションのメンバーとしても知られるデイヴ・ペグを後任の正式ベーシストに迎えて[15]、本作に伴うツアーを行なった。しかしバーロウは親友だったグラスコックの死に打ちひしがれ、同ツアーの終了後にバンドを脱退した[12]。
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反響・評価
全英アルバムチャートでは4週トップ100入りするが、最高位は27位に終わり、バンドのスタジオ・アルバムとしては『ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる』(1976年)以来3年ぶりに、全英トップ20入りを逃す結果となった[3]。アメリカのBillboard 200では、1979年11月10日に最高22位を記録した[2]。
ノルウェーのアルバム・チャートでは2週連続で15位を記録し、合計12週トップ40入りした[1]。ドイツのアルバム・チャートでは、オリジナル・リリース当時は8週トップ50入りし、最高28位を記録した[5]。
Bruce Ederはオールミュージックにおいて5点満点中2点を付け「ここに来てアンダーソンの閃きは枯渇したようで、彼が書いた歌詞の題材は、環境問題に対する懸念や、闇雲な社会批評にまで及んでいる」「インストゥルメンタルの"Warm Sporran"を別とすれば、アンダーソンのフォーク的な作曲能力の源泉も枯れてしまったことが示されている」と評している[16]。
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リイシュー
2004年発売のリマスターCDには、4曲のボーナス・トラックが追加された[13]。「ア・スティッチ・イン・タイム」は1978年11月リリースのシングル[17]A面曲、「クロスワード」と「ケルピー」は本作のためのセッションで録音されたアウトテイク、「キング・ヘンリーズ・マドリガル」は新ベーシストのデイヴ・ペグが参加した初音源に当たり1979年11月にEP『ホーム』[18]のカップリング曲として発表された[14]。
2019年に発売された40周年記念エディション『Stormwatch: 40th Anniversary Force 10 Edition』[19]は、4枚のCDと2枚のDVD-Audioから成る内容で、CD1はオリジナル盤のスティーヴン・ウィルソン・リミックス、CD2は未発表曲やアウトテイクなどを含むボーナス・ディスク、CD3とCD4は1980年3月6日に行われたオランダ公演のライブ音源を収録している[20]。このエディションは、ドイツのアルバム・チャートではオリジナル・リリース時を上回る8位に達した[5]。
収録曲
特記なき楽曲はイアン・アンダーソン作。#5と#10はインストゥルメンタル。
- 北海油田 "North Sea Oil" – 3:12
- オリオン星座 "Orion" – 3:58
- ホーム "Home" – 2:46
- ダーク・エイジズ "Dark Ages" – 9:13
- 防寒具スポラン "Warm Sporran" – 3:33
- サムシングス・オン・ザ・ムーヴ "Something's on the Move" – 4:27
- 年老いた妖怪達 "Old Ghosts" – 4:23
- ダン・リンギル "Dun Ringill" – 2:41
- フライング・ダッチマン "Flying Dutchman" – 7:46
- エレジー "Elegy" (David Palmer) – 3:38
2004年リマスターCDボーナス・トラック
- ア・スティッチ・イン・タイム "A Stitch in Time" – 3:40
- クロスワード "Crossword" – 3:38
- ケルピー "Kelpie" – 3:37
- キング・ヘンリーズ・マドリガル "King Henry's Madrigal" (Traditional) – 2:59
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参加ミュージシャン
- イアン・アンダーソン Ian Anderson – ボーカル、フルート、アコースティック・ギター、ベース
- マーティン・バー[注釈 2][21] Martin Barre – エレクトリック・ギター、マンドリン、クラシック・ギター
- ジョン・エヴァン John Evan – ピアノ、オルガン
- バリモア・バーロウ Barriemore Barlow – ドラムス、パーカッション
- デヴィッド・パーマー David Palmer – シンセサイザー、オルガン、オーケストラ・アレンジ
- ジョン・グラスコック John Glascock – ベース(#2、#9、#10)
アディショナル・パーソネル
- フランシス・ウィルソン Francis Wilson – スポークン・ワード
脚注
外部リンク
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