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スーパー・ガス
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『スーパー・ガス』(SUPER GAS)は、1971年10月5日に発売された加藤和彦の2枚目のソロ・アルバム。
解説
初のソロ・アルバム『ぼくのそばにおいでよ』発表後の1970年7月、加藤は福井ミカとの結婚前後、北山修、シュリークス、ザ・フーティ・ラッズ、ロック・キャンディーズなどの音楽家仲間とアメリカ・ツアー 『カレッジ・ポップス・イン・U.S.A.』に参加する[1]。一行はニューヨークで開催されていたロック・フェスティバルを観覧し、加藤は道中立ち寄ったメキシコではステージをこなした[2]。
帰国後、加藤はアルバムの制作を始める。全曲の詞は松山猛が担当し[3]、作編曲は加藤が手がけた。アルバム・タイトルは、加藤の知人の飼い犬ガスがスーパーマンに扮したアルバム・カバーに因むものであり、加藤もアルバム発表時のコンサートではスーパーマンの扮装で出演していた[2][4]。サウンド面での特色としては加藤のギター・プレイが前面に出され、当時の日本ではまだ珍しかったスティールパンに加え、輸入されたばかりのミニモーグや、ARP 2600などのシンセサイザーが使用されていることなどが挙げられる[2]。レコーディングはニッポン放送第1スタジオや加藤の自宅で行なわれ、伊豫部富治がエンジニアを務めた。
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アートワーク
アート・ディレクションは川村都。アルバム・カバーの写真は川仁忍が手がけ、バック・カバーには加藤とミカが、ガスと戯れている写真をパートカラー印刷したものが使われている。また、アナログ・レコードに付属した紫色のインナースリーヴには写真のコラージュと歌詞が印刷されていた。バック・カバーにはクレジットが印刷されており、加藤によれば本作は日本でプロデュース・クレジットが記載された最初のアルバムであるという[2]。なお、初発売時のレコード帯には、以下のキャッチコピーが記載されていた。
世界のシンガー = ソング・ライター
収録曲
全曲作詞:松山猛、作編曲:加藤和彦
アナログ・レコードでは#1から#6までがA面に、#7から#10までがB面に収録されている。
楽曲の時間表記は初出CDに基づく。
- 家をつくるなら (THE HOUSE SONG) - (2:21)
- 当初、この楽曲はアルバムのみの収録だったが、ナショナル住宅建材株式会社のCMソング[2]に使われたことで人気を博し、アルバム発売から約1年半経った1973年に#6とのカップリングでシングルカットされた。
- アーサー博士の人力ヒコーキ (Dr.EARTHER'S MAN-POWER PLANE) - (5:43)
- 魔法にかかった朝 (THE MORNING SONG) - (2:21)
- せっかちと■■■■ (SEKKACH AND) - (3:12)
- 曲名と歌詞に放送禁止用語が含まれていたため、加藤の判断で該当部分の音を消去し、歌詞の一部も手書きで塗りつぶされた。
- もしも、もしも、もしも (IF) - (3:35)
- 不思議な日 (STRANGE DAY [OF OUR LIFE]) - (2:41)
- 魔誕樹の木陰 (LA MATAN-QUI) - (2:40)
- 琉球音階を取り入れた楽曲。曲名の読み方は「またんきのこかげ」である。
- アルカンシェル (ARCENCIEL) - (7:00)
- この楽曲のリード・ギターはつのだひろが弾いている。
- 児雷也冒険譚 (LEGEND OF JIRAIYA) - (7:25)
- スーパー・ガス (SUPER GAS) - (1:44)
- 加藤のアコースティック・ギターによるインストゥルメンタル。
ボーナス・トラック
2017年6月28日にユニバーサルミュージックジャパンから発売されたリイシュー盤『スーパー・ガス+2』(UICY-7307)には以下のボーナス・トラックが2曲追加されている。
時間表記は前記CDに基づく。
- 家をつくるなら(ライブ) - (2:15)
- 作詞:松山猛、作曲/編曲:加藤和彦
- 「カレッジ・ポップス・イン・U.S.A.」の翌年1971年7月に行なわれた同様のアメリカ・ツアー「ヤング・ジャパン国際親善演奏旅行」[7]の途次、7月30日にバンクーバーのリッチモンド・アリーナで行なったライブでの演奏。
- ララ・ムラ(ライブ) - (2:57)
- 作詞/作曲:Donovan、編曲:加藤和彦
- 前記ライブでの演奏で、ドノヴァンの楽曲 “La Moora” のカバーである。原曲は1971年発表のアルバム“HMS Donovan”収録。
コンパクト盤
アナログ・レコード発売時には、本作から4曲を抜粋したコンパクト盤も発売された。規格はCTP-4303。
収録曲
SIDE A
- 家をつくるなら
- もしも、もしも、もしも
SIDE B
- 不思議な日
- 魔法にかかった朝
クレジット
- Produced by K.Kato & Mr. Morning with a Little Help from K.Nitta
- Engineered by T.Iyobe with Assistance of K.Sugiyama
- Recorded at M.I.K.A. Sound Cottage During May to July 1971
- All Selections are Written, Arranged, Played (on Guitar, Banjo, Harmonium, Steel-Drum) & Sung by K.Kato
- With Many Thanks to Following People
- Takashi Nishioka - Flat Mandolin on #1, Background Vocal on #8 & Vibe on #9
- Hiro Tsunoda - Drums & Percussion, Lead Guitar on #8, Background Vocal on #4
- Mika - Percussion on #5 & #8, Background Vocal & Screaming on #9
- Yoshiro Yomo - Guitar on #7 & Background Vocal
- Monsiever Kan - Background Vocal on #7
- Toshio Endo - Pedal Steel Guitar on #1 & #2
- Kei Ishikawa - Electric Bass on #1 & #2
- Sasa & Koji - Background Vocal on #1
- Baichan - Background Vocal only
- Lyrics - Takeshi Matsuyama
- Cover Photo - S.Kawani
- Art Direction Design - Miyako Kawamura
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発売履歴
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参考文献
- 『平凡パンチ 1971年12月6日号』平凡出版、1971年11月。
- 松山猛『もう話してもいいかな』小学館、2006年3月。ISBN 978-4-09-387637-7。
- 前田祥丈 (聞き手・構成) 編『エゴ〜加藤和彦、加藤和彦を語る』スペースシャワーネットワーク、2013年7月。ISBN 978-4-90-670088-2。
脚注
外部リンク
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