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ヨーロッパイチイ
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ヨーロッパイチイ (Taxus baccata) は、イチイ科イチイ属の針葉樹。セイヨウイチイ(西洋一位)とも言う。
![]() | このページ名「ヨーロッパイチイ」は暫定的なものです。(2021年1月) |
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ヨーロッパに唯一自生するイチイ属であり、英語では本来は単にユー (Yew) と呼ぶ。西洋文学でイチイとあるのは原則としてヨーロッパイチイである。同属他種と区別するために European Yew, Common Yew という。
なお、北米太平洋地域に自生する同属のタイヘイヨウイチイ Taxus brevifolia (Pacific Yew, Western Yew) もセイヨウイチイと言うことがある。ただし、こちらの英名の Western は西洋ではなくアメリカ西部の意味である。
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分布
利用
属の学名 Taxusはギリシャ語名で弓を意味するtaxonに由来している。西洋ではその硬くて弾力のある特性から、イチイから作られた弓は最強の武器として長く重宝されてきた[2]。また、その材質が硬く、水を通しにくい性質から、家具を作る材料にも利用される。果実は食用になるが、イチイ同様に種子には毒があり、瀉下薬、鎮咳薬などに使う。Irish Yew Taxus baccata 'Fastigiata' を初めとする多数の栽培品種がある。欧米では庭園樹や街路樹などに植えられる。
墓地に植えられる
イギリスやアイルランドでは教会や墓地などによく植えられ、樹齢千年以上になった古木もある。
中世英国の義賊で、弓の名手であったロビン・フッドはイチイとの関係が深い。リチャード王に忠誠を誓い、その信頼を得て暴れまわっていたロビン・フッドだが、リチャード王が亡くなり、マリア姫も失い、討ち取られることになる。新しい王の部下と戦い、傷ついた彼は、修道院長である妹にかくまってもらう。やがて駆け付けたリトルジョンに、「この矢の落ちた先に埋葬してくれ。」といい、最後の力を振り絞って矢を放つ。矢が刺さったのはイチイの木の根元で、彼はそのイチイの木の根元に埋葬された[3]。
材質が硬いイチイは学名通り、弓の資材として重宝されてきた一方、死に至らしめる道具であり、また、死者が地面から出す毒性の発散物を飲み干すと信じられていたことから墓地に植えられたと考えられている[2]。
一方、ブルターニュの海岸地域では沢山植えるとそこに埋葬されるあらゆる死者の口に根をはってしまうと信じられていたらしく、イチイは各墓地に一本しか植えられてはならないとされていた[2]。
タキソールの原料

葉や樹皮などに含まれる10-デアセチルバッカチンIIIは抗癌剤パクリタキセル(商品名タキソール)の半合成原料になる。葉などから抽出するほか、樹木を利用せずに培養細胞から抽出することもできる。
パクリタキセルは当初タイヘイヨウイチイから発見された化合物だが、ごく微量であり利用はできなかった。そのため、似た化合物を十分な量含む種を探した結果、同属のヨーロッパイチイから10-デアセチルバッカチンIIIが発見された。
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脚注
関連項目
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