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セルビア・ディナール

セルビアの通貨 ウィキペディアから

セルビア・ディナール
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セルビア・ディナールセルビア語динар, динара通貨コード:RSD)は、セルビア通貨。補助単位はパラ(セルビア語пара、1/100ディナール)だが、現在は使われていない。

概要 セルビア・ディナール, ISO 4217コード ...

ディナールは1214年にセルビアの通貨として初めて使用され、1868年にミハイロ・オブレノヴィッチ3世によって初めてセルビアの法定通貨として指定された。

現在のディナールはモンテネグロによる独立宣言の後、セルビア・モンテネグロが崩壊した2006年にユーゴスラビア・ディナールから兌換されたものである。モンテネグロとコソボ国内にあるセルビアとの係争地ではすでにドイツマルク(後にユーロに兌換)を採用していた。なお、コソボ北部のセルビア人とその居住区ではディナールを使い続けている[1][2]

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歴史

要約
視点

中世のセルビアディナール

「セルビア・ディナール」が最初に言及されるのは1214年頃のステファン・ネマニッチの時代に遡る。それからスティエパン・トマシェヴィチの代までの間、様々なディナール銀貨がセルビアの支配者によって鋳造・輸出された。当時のセルビアはの鉱山を多く有するなど鉱物資源に恵まれており、特に銀は重要な輸出品であった。この事実は、ダンテ・アリギエーリの『神曲』にセルビア王のウロシュ2世と思しき人物が贋金犯として登場するほど、同じくグロッソ銀貨英語版を発行していたヴェネツィアの人々からは快く思われていなかった[3]

近代のセルビア・ディナール

その後、セルビアの領土は1459年のスメデレヴォ陥落によってオスマン帝国に征服された。征服後、19世紀中頃まで多くの外貨がセルビア領内で混在して流通しており、この状況は1817年のセルビア公国の成立後も続いていた。現在の補助単位の名であるパラ(ペルシア語پاره pāra)もこの頃に通貨の一種として流通していた。セルビア王子のミロシュ・オブレノヴィッチグロート(グロシュ)に基づいた為替レートを確立させ、1819年に金貨10枚、銀貨28枚、銅貨5枚の43種類の外貨の流通価値を定めたことで、一定の秩序が成立した[4]

1867年にはセルビア領内に駐屯していた最後のオスマン軍部隊を撤退させることに成功し、これを機にミロシュ・オブレノヴィッチ主導のもとで独自通貨の鋳造が再開され、1868年より金・銀・銅の硬貨紙幣が発行された。その後王政に移行したセルビア王国ラテン通貨同盟に加盟し、1914年まで金銀複本位制を順守していた。1894年までディナールはフランス・フランと等価で固定されていた。

その後、セルビア王国はサラエボ事件に端を発する第一次世界大戦を経て、周辺地域とともにユーゴスラビア王国を形成し、それに伴い通貨もユーゴスラビア・ディナールへと移行した。

ナチス・ドイツ占領下でのセルビア・ディナール

ユーゴスラビア王国は1941年のナチス・ドイツによるユーゴスラビア侵攻によって解体され、その傀儡国家であるセルビア救国政府によってセルビア・ディナールの名が再び使われ始めた。2番目のディナールは1ライヒスマルク=250ディナールの価値で固定され、パルチザンによるユーゴスラビア・ディナールの再導入までの約3年間流通した。ナチス・ドイツの降伏後は1ユーゴスラビア・ディナール=20セルビア・ディナールで交換された。

現在のセルビア・デイナール

現在のセルビア・ディナールはユーゴスラビア連邦共和国セルビア・モンテネグロに改称した2003年にユーゴスラビア・ディナールを置き換える形で復活した。前述の通りモンテネグロとコソボの係争地ではユーロが一方的に導入されたため、セルビア共和国内でのみ流通し、セルビア・モンテネグロの解体を経て現在に至っている。

コソボのセルビア人居住区ではセルビア・ディナールが引き続き使用されていたが、2024年2月にコソボのアルビン・クルティ首相は全国での決済通貨を数ヵ月の移行期間を経てユーロに統一することを発表し、大きな論争を呼んだ[5]。クルティ首相はこの決定がセルビア・ディナールでの決済の禁止・罰則化を意味するものではないことを強調している[6]

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硬貨

流通硬貨は1, 2, 5, 10, 20ディナールで構成されている。このうち広く流通しているのは1, 2, 5ディナールであり、同額面の紙幣が主に流通している10, 20ディナール硬貨の流通割合は全硬貨の約2%程度と市場には殆ど出回っておらず[7]記念硬貨としての側面が強い。

いずれの硬貨も材質や重さ、図柄が度々変わっているが、2003年以降に発行された硬貨は全て法定通貨である。

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紙幣

現在流通している紙幣のデザインは2000年発行のユーゴズラビア・ディナール紙幣を踏襲しており、全体の構図と色味は共通しているが、透かし部分上の潜像の有無、表面の国名や裏面のエンブレム(2006年以前は国立銀行のロゴ、以降はセルビアの国章[注 1])、ホログラムに現れる図柄や細部のモチーフが変更されている。なお、デザインが似ているユーゴスラビア・ディナール紙幣は2012年末の国立銀行での交換終了をもって価値が消滅している為、注意が必要である[8]

500ディナール紙幣は2004年に、2000ディナール紙幣は2011年に新たに設計された。

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為替レート

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脚注

関連項目

外部リンク

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