セレン化銀

セレン化銀（セレンかぎん、Ag₂Se）とは銀とセレンの化合物でナウマン鉱（セレン銀鉱）として自然界に存在する。日本では北海道歌登鉱山や鹿児島県菱刈鉱山から産出する、アメリカでもネバダ州とアイダホ州の鉱山からのいくつかの低硫黄銀鉱石で重要な銀化合物として認識されるようになった比較的希少な銀鉱物である^[2][3]。

Silver(I) selenide
IUPAC名 Silver(I) selenide
別称 ナウマン鉱 セレン銀鉱
識別情報
CAS登録番号	1302-09-6
ECHA InfoCard	100.013.727
PubChem CID	6914520
UNII	QZ0B90W7EQ
CompTox Dashboard (EPA)	DTXSID2061644
特性
化学式	Ag2Se
モル質量	294.7 g/mol
密度	8.216 g/cm3, solid
融点	896.85 °C, 1170 K, 1646 °F
水への溶解度	insoluble
バンドギャップ	0.15 eV [1]
構造
結晶構造	直方晶系, oP12
空間群	P212121, No. 19
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

構造

セレン化銀には2つの結晶相がある。より低い温度では、それが有する斜方晶構造、β-のAg₂Seになる。この斜方晶相は室温で安定であり、ナローギャップ半導体空間群P2 ₁ 2 ₁ 2 _1、バンドギャップの正確なサイズは、0.02eVから0.22eVまでさまざまに与えられている^[4]。高温立方相、α-Ag₂Seも存在する^[5]。それは130度以上の温度で変性する。この高温相は空間群Im3m、 No。229、ピアソン記号cI20を持っている。相転移により、イオン伝導度が10,000倍に増加して約2 秒/cmになる。