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タンタルの同位体

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タンタル(Ta)の同位体のうち天然に存在するものは、2種類あり、180m1Ta(0.012%)と181Ta(99.988%)である。181Taは安定同位体であり、180m1Taも現在のところ崩壊は観測されておらずほぼ安定と見なせるが、理論上は不安定同位体である。

180Taは太陽系内でもっとも希少な同位体として知られているが、その起源などについては不明な点が多かった。2010年になり、180Taは超新星爆発時に発生するニュートリノ181Taや180Hfと衝突することにより生成されること、基底状態核異性体は別個のものであることなどが日本原子力研究開発機構などの研究チームにより発表され、初めて太陽系における理論上の推定量と実在量とを一致させることに成功した。

180m1Taは、180Taの基底状態への異性体転移180Wへのベータ崩壊電子捕獲による180Hfへの崩壊の3つの崩壊パターンを持つと予測されている。しかし、現在のところいずれの崩壊パターンも観測されていない。観測によって半減期の下限が1015年と定められただけである。180m1Taの奇妙な点は、基底状態の180Taの半減期が8時間しかない点である。また、180m1Taは天然に生成する唯一の核異性体である。

タンタルは核兵器の加塩材料として提案されている(コバルトが有名)。181Taの被覆は熱核兵器由来の強烈な高エネルギー中性子束による照射を受けると、約1.12 MeVガンマ放射を生ずる半減期が114.43日の放射性同位体182Taに変化するため、数ヶ月に渡って核兵器の放射性降下物放射能を増加させる。しかし、このような兵器が作られたりテストされたり、また使われたりしたことは知られていない。

標準原子量は180.94788(2) uである。

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